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檀信徒カルテ研究所設立

「檀信徒カルテ研究所」を立ち上げました。

詳細は公式ページに記載している一部を抜粋。

檀信徒との交流を記録し、観察することで檀信徒に寺院が何を求められているのか?縁ある人々に何を価値と感じてもらっているのか?といった「気づき」を得ることが大切だと感じています。
 記録するためのカルテではなく、寺院がカルテの記録と振り返りを通して、自身や寺院の課題を発見し、「宗教者として今できることの気づき」に繋がるお寺のカルテ文化が醸造され、寺院の社会的資源価値の向上に寄与できることを願っています。
ー「お寺カルテ研究所」より

昨今寺院は、宗教離れ、檀家離れ、寺院消滅といった忍び寄る事実に不安を抱き、永代供養墓、納骨堂、樹木葬、NPO立ち上げなど「外向きのエネルギー」に注目が集まっていて、コロナ禍ではオンラインセミナーも盛況な様子。

しかし、果たして今の檀信徒さんとの関係性はどうでしょうか?

まだ檀信徒にはなっていなくてもこれまで得た新たなご縁は把握できる状況でしょうか?

もっと言えば自身の中に檀信徒および地域に「必要とされる寺」の明確な方向性が見えたうえで活動されているだろうか?

そこが曖昧なまま、おびただしい数の情報や他の寺院の活動に焦り、とても困難で成功体験までがかなり遠いことに挑戦し、思い悩んでいる方が多いように感じています。

私も、寺院の中で仕事をし、いくつかのご寺院のご相談を受けていて、自身も納骨堂の実運用を担う会社を経営しているのでその大変さや計画通りにいかない焦りはすこしは分かるつもりでいます。

でも、だからこそ違和感が拭えずにいました。

なにかが、ボタンがかけちがったように、うまく噛み合っていないまま「仏教」「僧侶」「境内」「伽藍」「歴史」といったローカルでオリジナリティあふれるものを経済や現代西洋思想に合わせてしまって「仏教と寺院の本来の価値」が見失われているように感じることがしばしばあるのです。

そう遠くない未来、死亡者も下り坂になり、供養数が減り、寺院の真価がいまよりもシビアに問われる時代が来る。

その日が来るまでにやるべきことは、まず「外向き」の活動ではなく、まずは「内向き」、つまり自己や既存の檀信徒と向き合うことでは?

そんな思いがずっとぐるぐると私の中を回っていました。

しかし、自分や現実と向き合うのはとても難しく、嫌なこと。

なにか1つの仕組みの中で、志同じくする僧侶のみなさんと各寺で取り組めるようにしたい。

そんな思いから、1件1件のお寺が檀信徒と向き合えるための仕組みとして、「檀信徒カルテ」という当社のノウハウを共有することにしました。

その活動の1つとして「檀信徒カルテ研究所」の設立にいたりました。

この小さく地味な取り組みに興味がおありになる僧侶、寺庭婦人、寺院勤務者の方がいらっしゃればお気軽に以下のページをご参照のうえお声がけください。

檀信徒カルテ研究所のページへ

私たちのこれまでの活動やご縁ある人のお知恵を共有することでお役に立てることがあれば精一杯尽力させていただきたいと思っております。

余談

「布薩(ふさつ)」。

当社が最も密に支援している寺院が臨済宗円覚寺派で、その館長である横田南嶺氏が行っているという「布薩」に興味を持って調べたところまさに「自らを省みる反省の修行」。

懺悔礼拝(さんげ らいはい)をひたすら繰り返し、
仏陀の定められた戒の条項をお互いに読み上げて、
自ら反省し、これからも戒にもとる行いがないように心に誓うのです。

とても素敵な取組みだと素直に思いました。

ただ末寺で夫婦二人三脚でお寺を守っている寺院の僧侶はそう簡単に定期的に寺院を空けて布薩に出かけることは叶わないのも事実。

法務を行い、寺務をこなし、新たなご縁を結びにいく。

外から見る以上に、一生懸命に務める僧侶と寺庭婦人はお忙しい。

本当は自由な時間を確保して内省し、檀信徒の交流をはかり、未来のお寺のあり方について思いを馳せる時間が大切なのになかなかそうもいかない。

私などは寺庭婦人と会話することのほうが多いので、奥様たちの支え合っての寺院であると強く感じつつ、彼女たちの自由な時間のなさにも驚きつつ、その清貧かつ真面目な姿を尊敬しています。

居心地がいいお寺にいくと気がつくと2時間経っていて、「ああ、なんだかほっとした」と優しい気持ちになって帰路につくことも珍しくありません。

それも一重に人情味ある僧侶や奥様、寺院関係者の方たちとお話させていただいたからこそ得られるもの。

そんな彼らが自分のお寺にいながら、内省し、社会を知り、檀信徒に思いを馳せる時間が増えればきっとお寺はもっと社会に必要とされるのではないか?

寺院の中にいながらいつも実感することです。

それくらい、今の社会にはなかなか見られない慈愛と慈悲、そして優しい時間がお寺の中にはあると確信しています。

そんな方々のお役に「檀信徒カルテ研究所」が立つことができればとてもうれしく思います。




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