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クルマでまるっと欧州一周30日【Day-3②】

8/29/2015 Valençey

ロワール地方 ヴァランセへ

10時半にモン・サン=ミッシェルのホテルを出発した。この日の宿は翌日の目的地ボルドーへの中継を目的としている。ノルマンディー地方とボルドーの間といえば、「フランスの庭」と呼ばれるロワール川流域一帯である。しかし一口にロワール地方と言っても、フランス最長1012kmという流域を誇るため果たしてどこにすればよいものか。ルマン、トゥールあたりがメジャーな街だが、ボルドーまでまだ微妙に遠い距離を残す。Webでホテルを探す中でValençayという小さな街に手頃な宿を見つけた。
南下してLaval手前から<A81>に乗り西へ向かい、Le Manを横目に<A28>をまた南下してToursからは<E604><D956>を通って16:30頃にValençayへ到着した。行程約380km。下道も使っているからまずまずであろう。

Valençayのスーパーで必需品のシェービングクリームをようやく手に入れ、さらに当分必要なミネラルウォーターも2ダース購入した。クルマの旅は荷物が多くなっても良いことが嬉しい。ワインコーナーに行くとロゼワインがずらりと並んでいた。さすがロワール地方である。

ヴァランセ城

Valençay中心部に着くと広大な緑が広がる場所があったのでクルマを停める。ヴァランセ城というロワールの古城の中でも南に外れて非常にアクセスしにくい城だということが後でわかりました。この城を所有していたのはかのナポレオン1世の外務大臣を務めたタレーラン公です。城の内部にはルイ16世様式と帝国様式の特筆すべき家具のコレクションがあふれていました。ここで開かれたのフランス帝国の高官や高貴な来賓を招いて開かれた豪華なパーティーが偲ばれます。                      城の周りを散策するとすぐに葡萄の樹が見えてきました。

街に特に美味しそうなレストランも検索でひっかからなかったので、今日の晩餐はホテル内のレストランです。ロワール地方で地元名の銘柄のロゼがあったのでまずはこちらでスタートです。この当時の私はワインエキスパートの称号はもっていましたが、チーズに関しての知識は非常に乏しく、ヴァランセにいるのに同じ名前で世界的有名な「Valençay」というチーズの存在も恥ずかしながら知らなかったのです。

シェーブルチーズ祭り

なんと食後のチーズプレートにはこのロワールで有名なシェーブルチーズがてんこ盛りだったのである。まずはこの地の「Valençay」。エジプト遠征に失敗したナポレオンの怒りをかって、もとはピラミッド形をしていた頭を切り落とされてこの形になった、という逸話を持つ独特の形状をしたチーズです。そして同じく木炭粉をまぶした「Sainte-Maur de Touraine」は中央に藁が一本通してあるのが特徴であり、さらにロワール川の支流シェール川一帯で造られる山羊乳製チーズ「Sellesーsur Cher」、この二つはカビが旺盛な状態ですがまだクリーミーでした。すらりと高いピラミッド形の「Pouligny-Saint-Pierre」もしっかりと盛り込んであります。後で振り返るとこの旅がワインとチーズを巡る旅という側面をもっていることに気付かされます。  とても静かな満月の夜でした。明日はロワールの古城を訪ねてからいよいよボルド―へ入ります。


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