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イスラム教の断食月とは?海外移住時に知りたい世界の行事!

世界では宗教によって、食べられない食べ物があったり、断食をしなければいけない期間があります。

日本では宗教に対して比較的寛容な人が多い為、生活の中で宗教に関するイベントはそれほど気にならないかもしれません。


海外では国によって宗教に関連する行事が国内行事として大々的に行われる事もあるので、移住する際にはチェックしておきたいポイントの1つでもあります。


本記事ではイスラム教を信仰している人達が行う「断食月」について詳しく解説していきます。


また、国民の9割がイスラム教を信仰する国、インドネシアで筆者が実際に体験した様子もお伝えしていきたいと思います。

イスラム教の宗教行事について

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イスラム教の宗教行事で特に重要と言われているのが、当記事の「ラマダン(断食月)」と「レバラン (断食明けの大祭)」です。

その次に「犠牲祭」という行事も重要とされているイスラム教の行事です。


断食月の際には国全体がお祝いムードになり、一見賑やかではありますが、断食月前後ではテロが発生する可能性が高く注意が必要です。


なぜ、毎年断食月前後に世界中でテロが多発するか説明しますと、断食月に善意ある行動をすれば御利益が多く得られ、天国へ行ける確率が高くなるというイスラム教の教えがあるからです。


本来であれば募金やボランティアなどが善意とされていますが、過激派による善意ある行動は異教徒を滅する事であり、御利益の高い断食月が狙われやすく資金も通常時に比べると調達しやすいのが原因の一つです。


お仕事・観光に関わらず断食月前後に渡航の際は、外国人が集まる場所は避けるなどその国の治安情勢なども事前に入手しておきましょう。

断食・断食明けの大祭とは

ラマダン(断食月)とはイスラム歴の9月を意味する言葉です。


太陽暦に従い毎年約11日ほど前にずれ、新月から始まり次の新月で終わりを迎えます。


イスラム教徒はこの約1ヶ月間、日の出から日没まで口に何も含まず断食します。

断食中はタバコも禁止です。

他にも物欲などの様々な欲も捨て神への献身と奉仕に没頭する期間とされています。


日の出の礼拝前に早朝の食事(sahur サフール)を済ませ、礼拝後に断食開始します。

そして、日没の礼拝が始まると1日の断食が終了します。


1日の断食終了後は礼拝前にのどの渇きを潤す為に、es buah(エス・ブアー)という、フルーツやナタデココなど が入った甘いジュースを飲み水分補給してから礼拝をし、 家族みんなで食卓を囲みます。

断食をする目的

・自身の信仰心を高める

・貧しい人や飢えた人を思いやる

・日々の恵みに感謝する

・世界中のイスラム教徒との連帯感を共有する


2021年度の断食は4月12日から5月12日を予定していますが、月の満ち欠けの状態で開始 の宣言が行われる為、直前で1日〜2日ほど前後する可能性があります。

※完全な新月となる日が断食開始となります。

断食明けの大祭

断食月が終了するとレバランと言われる断食明けの大祭に突入します。

日本で例えるとお正月・お盆の行事に最も近く、会社からはTHL(テーハーエル)というボーナスが配られます。


政府機関関係や会社なども約1週間の長期休暇となり国民の大半が実家へ帰省します。


ジャカルタは世界一の交通渋滞問題で有名ですが、レバラン(断食明けの大祭)の時期だけは大半 の人が帰省するため渋滞とは無縁になります。


しかし昨年と今年は、新型コロナウィルスの関係で残念ながら休み期間は短く、帰省も極力控えるようにと発表がありました。

国全体がお祝いムード!各国の断食月の様子は?

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インドネシア
インドネシアではイスラム教を含む、5つの宗教が国教と定められております。

イスラム教以外のキリスト教やヒンドゥー教の宗教行事も行われ、キリスト昇天祭、中国旧新年などの宗教行事の日は日本でいう祝日や、政府が休日を推奨する政令指定の休日推奨日が設けられます。


断食関連であれば、断食明けの2日間は祝日、もう2日間は政令指定の休日推奨日が設けられ、その間有休などと組み合わせ、国民の多くは1週間程の長期休暇を取ります。


また、断食月が終了した日の晩は街中でパレードが開催され、断食月中に各地域でパレードの練習をしており、当日は日頃の練習の成果を発表する場でもあります。


場所によっては、車・バイクの通行が封鎖され大体的にパレードが行われる地域もあり、道端には見物客も沢山います。

サウジアラビア
イスラム教最大の聖地「メッカ」があるサウジアラビアでは、断食が終了するとムガルガル(スパイスを加えた羊肉の挽肉とトマトのシチュー)や、挽いた小麦に肉とスパイスを混ぜたジャレーシュに沢山の甘いお菓子など、聖なる宴の伝統的なご馳走を皆で楽しみます。


ハチミツやナツメヤシをふんだんに使用したこのお祝いのための伝統的クッキーや料理もたくさん振舞われます。


断食明け大祭の初日の晩には、盛装(断食明け大祭の為に新しく購入した服)で花火を見に出かけ、お互いに「イード・ムバラク(幸せなお祝い)」とお祈りをします。

この時期、女性は手や足をヘナで着飾るなど、見た目からもお祝いのムードを漂わせています。

エジプト
エジプトもサウジアラビアと同じように、3日間に渡り神の祝福に対し感謝を捧げる「イ ード・アル・フィトリ(断食明けの大祭)」が盛大に行われます。


イ ード・アル・フィトリの間は帰省や親戚を訪ねたり、家族と共に過ごすのが一般的で、カハクと言って小麦粉から出来たクッキーのようなお菓子をよく食べます。

イーストが入っているので、さっくりホロホロとした食感が特徴的で、中にハチミツやナッツが入ったものなど種類も豊富です。


イスラム
断食月が明けた翌日の朝の礼拝は、大学や集会場などかなり広いエリアに集まり特別な礼拝を行い、その後家族親戚で集まり一家団欒を楽しみます。

まとめ

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各国により、断食月後のお祝い行事や食べる物は違いますが、共通して全世界で共通しているのは、子供たちに現金・新しい服・玩具などのプレゼントを贈る文化や、家族・親戚と集まる文化があることもわかりました。

帰省しなければ、親不孝者と言われてしまうほど大事な行事のようです。

日本にいると馴染みのない宗教行事ですが、イスラム教徒以外でも歓迎してくれますので機会があれば一度体験してみてください。

街中散策しているだけでも、お祭り気分を味わえますし1000人以上集まって礼拝している様は圧巻です。


今は新型ウィルスなどの影響で、実際にイスラム圏内の国で体験する機会も少ないかもしれませんが、世界ではこのような行事があるのだと知っていただけると嬉しいです。


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