コナン@世界史のせんせい

世界を知れば、人生が変わる!家庭教師とライターの「学び舎」代表。世界史のYouTube…

コナン@世界史のせんせい

世界を知れば、人生が変わる!家庭教師とライターの「学び舎」代表。世界史のYouTubeチャンネル台本を書いてます。

マガジン

  • 【3分で読める世界史】コーヒーの世界史編

    コーヒーの視点からみた世界史をお届けします。

  • 【3分で読める世界史】近世ヨーロッパ編

    日本でも人気の高い、近世ヨーロッパの歴史をまとめました。受験生も社会人も、みんな楽しめる内容になっています。

  • 【3分で読める世界史】産業革命編

    今日の世界の成り立ちにも関わる産業革命。コンパクトにまとめました。

  • 【3分で読める世界史】中華帝国史編

    歴史的大国となった中国の明と清。同じアジアの中国の歴史を一緒に紐解きましょう。

  • 【3分で読める世界史】番外編 本の紹介

    ちょっとブレイク。世界史に関する面白い本を紹介。世界史を勉強してきたひとには、とても楽しめるラインナップです。

最近の記事

【3分で読める世界史】アルメニア人が伝えたコーヒー

今日はイスラーム世界のウィーン包囲から、少し時間を遡ります。 舞台はフランス、主役はアルメニア人です。 今回も中公新書の『コーヒーが廻り世界史が廻る』を片手に コーヒーから見た世界史をお届けします。 12世紀に東ローマ帝国の攻撃によりアルメニア王国が滅ぼされると アルメニア人は世界中に散らばりました。 しかしその明晰な頭脳を駆使し 各地で商人として活躍 独自のネットワークを構築します。 この経緯は、ユダヤ人とよく似ていますね。 そんなアルメニア人は、商才に

    • 【3分で読める世界史】戦に勝利しウィーンにカフェができた話

      【前回までのお話】 イスラームの大国、オスマン・トルコ帝国は、ハプスブルク帝国の都ウィーン包囲(2回目)を目指します。 冬になるまでの時間との勝負とみたオスマン帝国は、最速でウィーンに到達するため、間にあったハンガリーのブダを先に制圧したのでした。 【3分で読める世界史】オスマン帝国のコーヒー戦術 それでは今日も中公新書の『コーヒーが廻り世界史が廻る』を片手に、コーヒーから見た世界史をお届けします。 ブダを平定したオスマン帝国は、いよいよウィーンに迫ります。 168

      • 今月は【3分で読める世界史】を更新できず、申し訳ございませんでした。 いまYouTubeの世界史チャンネルの脚本家として頑張っています。 来月は1つでも、2つでも更新できるよう時間を作りたいと思う次第です。 気長にお待ちいただけますと幸いです……。

        • 【3分で読める世界史】緊迫するウクライナ情勢を簡単に解説

          「ロシアがウクライナに侵攻したら、戦争に発展する恐れも」 そこまで事態は緊迫しています。 一体どういう経緯で、何が起こっているのか、簡単に解説したいと思います。 ウクライナの成り立ち ウクライナは古くから、様々な国に占領、支配されてきた歴史があり、第二次世界大戦の後には、ソビエト連邦に併合されていました。 しかし1991年12月8日、当時のウクライナ大統領は、ロシアのエリツィン大統領、ベラルーシの最高会議議長とベラルーシの郊外で秘密会議をし「ソ連崩壊のシナリオ」に合

        【3分で読める世界史】アルメニア人が伝えたコーヒー

        マガジン

        • 【3分で読める世界史】コーヒーの世界史編
          13本
        • 【3分で読める世界史】近世ヨーロッパ編
          17本
        • 【3分で読める世界史】産業革命編
          2本
        • 【3分で読める世界史】中華帝国史編
          22本
        • 【3分で読める世界史】番外編 本の紹介
          3本
        • 【3分で読める世界史】イスラーム世界の繫栄編
          15本

        記事

          【3分で読める世界史】オスマン帝国のコーヒー戦術

          ロンドンから舞台は再びイスラーム世界に戻ります。 今日も中公新書の『コーヒーが廻り世界史が廻る』を片手に、コーヒーから見た世界史をお届けします。 16世紀の国際情勢は、ドイツ神聖ローマ帝国のハプスブルク家 VS オスマン帝国の戦いが軸となっていました。 両者の間にはハンガリーがあり、オスマン帝国にとっては、ここを無傷で、最速で通ることが課題となっていました。 ハプスブルク帝国の都ウィーンを一度は包囲したことがあるオスマン帝国は、そのとき冬の到来で撤退を余儀なくされた経

          【3分で読める世界史】オスマン帝国のコーヒー戦術

          【3分で読める世界史】ロンドンのコーヒー・ハウスの衰退

          お待たせしました。 【3分で読める世界史】を再開します! 久しぶりの今回は、コーヒーから見た世界史を。 例によって中公新書の『コーヒーが廻り世界史が廻る』を片手にお送りします。 前回までで、コーヒーがアラビアからヨーロッパへ伝わり、ロンドンのコーヒー・ハウスが盛んになったことをお伝えしました。 ロンドンのコーヒー・ハウスは、情報の集積や、産業資本家の活躍の場所を担いました。 しかし、その状況は長くは続きません。 コーヒー・ハウスの発展に立ちはだかったのは、聡明な

          【3分で読める世界史】ロンドンのコーヒー・ハウスの衰退

          あけましておめでとうございます。 いつも「3分で読める世界史」をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。 今年はいろいろ挑戦したいため、少し更新頻度が落ちるかもしれません。 気長にお待ちいただけますと幸いです。 本年もどうぞ宜しく御願い申し上げます。 令和四年元旦

          あけましておめでとうございます。 いつも「3分で読める世界史」をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。 今年はいろいろ挑戦したいため、少し更新頻度が落ちるかもしれません。 気長にお待ちいただけますと幸いです。 本年もどうぞ宜しく御願い申し上げます。 令和四年元旦

          【3分で読める世界史】名誉革命

          前回は近世イギリスが「絶対王政⇒独裁政治⇒専制政治」と変化し、常に議会が君主と戦っている様子をお話させていただきました。 今回はついに議会の奮闘が実を結ぶ、名誉革命をお届けします。 ①ホイッグ党とトーリ党 専制政治を敷く国王(チャールズ2世)に、法の整備で対抗した議会。 しかし課題は続きました。 次期国王と目されていた王弟のジェームズ2世も、カトリックだったことが分かったのです。 ようやく公職からカトリックの国王派を一掃したのに「これではもとに戻ってしまう」。

          【3分で読める世界史】名誉革命

          【3分で読める世界史】混迷する近世イギリス

          コーヒーから見た世界史は、いったんおしまい。 今回から近世ヨーロッパ史に戻ります。 まずはおさらいです。 17世紀、イギリスでは絶対王政が倒され、国王のいない共和政が樹立されました。(ピューリタン革命) しかし絶対王政を打倒した指導者クロムウェルは、あらたな独裁を始めてしまいます。 クロムウェルの独裁政治はどうなっていくのか。 この記事を読めば、共和政以降のイギリスの状況が分かります。 ①王政復古 クロムウェルは厳格なピューリタン(禁欲を是とするプロテスタント

          【3分で読める世界史】混迷する近世イギリス

          【3分で読める世界史】コーヒー・ハウスの政治的役割

          前回はロンドンのコーヒー・ハウスには、情報の集積という役割があったことをお伝えしました。 今回はコーヒー・ハウスのもうひとつの役割について話したいと思います。 例によって、中公新書の『コーヒーが廻り 世界史が廻る』を参照しながら進めていきます。 ロンドンにコーヒー・ハウスが現れ始めたときは、ちょうど産業が発達し、商業ベースの勢力と戦い始めた頃でした。 この時代、イギリスの公の場を牛耳っていたのは、王室と商業資本家でした。 産業資本家はまだ登場したばかりで、政治的活躍

          【3分で読める世界史】コーヒー・ハウスの政治的役割

          【3分で読める世界史】ロンドンのコーヒー・ハウスが担った役割

          今回は17世紀のロンドンで、コーヒー・ハウスの担った役割についてお伝えします。 今日も中公新書の『コーヒーが廻り 世界史が廻る』を参照しながらお話しします。 前回オランダとコーヒーにまつわる話をお届けしました。 今度は、オランダと世界の覇権を競っていたイギリスの物語です。 コーヒーがロンドンにまで伝わると、街にコーヒー・ハウスと呼ばれる今のカフェのような店舗が作られました。 当時ロンドンでは、中流階級が主流となる市民社会が発展の過程にあり、その社交場として、コーヒー

          【3分で読める世界史】ロンドンのコーヒー・ハウスが担った役割

          【3分で読める世界史】オランダ資本がコーヒーに与えた影響

          今日はオランダにより、コーヒーの在り方が変わっていったお話です。 今回も中公新書の『コーヒーが廻り 世界史が廻る』を片手にお届けします。 以前、コーヒー栽培には時間が掛かり、資本がないと手が出せないという事情を紹介しました。 アラビアからヨーロッパに伝わったコーヒーを、大規模に扱ったのはオランダでした。 大交易時代、資本が多く集まっていた点でオランダは、資本と結びつくコーヒーを扱うのに、ぴったりの国だったのです。 オランダはイエメンから買ったコーヒーを、自国で消費す

          【3分で読める世界史】オランダ資本がコーヒーに与えた影響

          【3分で読める世界史】紅海を旅するコーヒー

          今回はコーヒーが紅海を通って運ばれる様子をお話させていただきます。 紅海の地図はこちら 例によって『コーヒーが廻り 世界史が廻る』を片手に、紹介していきますね。 前回の記事で、コーヒー栽培には紅海の湿気が大切だった話をしました。 でも紅海とコーヒーの関係は、それだけではありません。 当時コーヒー豆はイスラームの商業拠点であったエジプトのカイロに、一旦集まっていました。それからヨーロッパに運ばれます。 コーヒーの栽培地であるイエメンからカイロへのルートは、陸路と海路

          【3分で読める世界史】紅海を旅するコーヒー

          【3分で読める世界史】コーヒーを作るのにはお金がかかる

          ちょっと間が空きましたが、【3分で読める世界史】をやっていきたいと思います。 本日はコーヒー生産にはお金がかかるというお話です。 今回も中公新書の『コーヒーが廻り 世界史が廻る』を参照しながらお話させていただきます。 前回の記事 「コーヒーの木は年間を通して霜のおそれのない温暖な気候と、年間1200ミリの降雨量を必要とする」 『コーヒーが廻り 世界史が廻る』より引用 イスラームのワインとしてコーヒーの栽培が始まったアラビア半島。しかし、この条件を満たす場所はごくわ

          【3分で読める世界史】コーヒーを作るのにはお金がかかる

          【3分で読める世界史】コーヒーがヨーロッパに伝わった2つの理由

          今回も中公新書『コーヒーが廻り 世界史が廻る』を参考に、コーヒーから世界を見ていきましょう。 これまでのお話 コーヒーの起源と、イスラーム世界で流行った理由。そしてコーヒーの禁止と、そこからの復活をお話してきました。 今回は見事復活したコーヒーが、イスラーム世界からヨーロッパに広まった2つの理由についてお届けします。 さっそくですが、その理由は ・メッカへの巡礼 ・コーヒーの家 にありました。 それでは、一つずつ見ていきましょう。 まずメッカへの巡礼ですが、引

          【3分で読める世界史】コーヒーがヨーロッパに伝わった2つの理由

          【3分で読める世界史】コーヒー・メッカ事件

          今日はイスラームの世界で流行り出したコーヒーが一転ピンチに陥った話をお送りします。 例によって中公新書の『コーヒーが廻り世界史が廻る』を参考に紐解いていきますね。 これまでのお話 コーヒーがイスラーム世界で流行り出した頃、気分に高揚感を与える物質としてお酒と一緒ではないか、怪しいと一部から批判があがるようになりました。 新しいものが批判を受けるのは、いつの世も常ですね。 とくにメッカの総督ハーイル・ベイは、厳格なイスラーム教徒で、コーヒーの存在を疑問視しました。

          【3分で読める世界史】コーヒー・メッカ事件