北海道の自治体の皆さん、地域おこし協力隊はこう募集しましょう

毎月のお給料もボーナスも、身分も保障されている地方公務員の皆さんには、今の地位や生活を捨て、「地域おこし協力隊に応募して、その町を、村を盛り上げていこう!」と思う人たちの気持ちは、わかるはずがありません

ではどういう募集なら、最終的にハッピーエンドになるのかを考えてみました。

町や村の最終目標
①新しい人が来て、それまでになかった有意義な発想のプロジェクトが将来に向かって進んでいく
②任期満了後に家や事務所を建てて、定住する
③過疎なのに、都会または周辺市町村から人が訪れるような、そんなチャンスが継続している
④役場と卒業隊員の間で良好な関係が続き、街に良い影響を与えられる

こんな募集要項で
①雇用関係…なし(国保と国民年金でいいのです)
②ミッション…面接の時に本人に語らせ、決めさせる
③給料…手取りで22万以上
④待遇…ボーナスや期末手当はなくてもいいが住宅補助や寒冷地手当は支給を
⑤勤務時間…本人に決めさせる
⑥副業…事前申告させて認める

①雇用関係があると自動的にいろいろなものが差し引かれます。そんな、サラリーマンの延長はいらない

勝手に役場でミッションを決めないでもらいたい。いくつかの市町村ではフリーミッションで、これは素晴らしいこと。だいたい、応募の際に何をしたいか作文を書けというのだから、外部の人間が、その町に何が必要なのか、プレゼンをさせるべき。なのに「雇ってやる」という感覚だからうまくいかないことが多い。

役場の地方公務員と同水準かそれ以上で当然です。役場の人が、英検1級、宅建、危険物取扱、旅行業務取扱管理者、TOEIC900点、フランス語検定1級など持っていますか?世界各国の状況を把握して、何がどうあるべきか、アドバイスできる知識はありますか?ないのに、その人たちより安く雇用されるんですか?

④自分の力で地方の町を本気で活性化させようと思っている人は、ボーナスなしでもいいから、毎月の手取りをちゃんとしてくれないと、定住時の貯金がありませんよ。

⑤コロナ禍で、勤務期間やミーティングがいかに無駄なのか、地方ではまだまだわかっていない。特に役場の会議と称されるものは、決まったことを決まった人が話す場であり、意見交換をする場ではないのです。仕事内容によって仕事の時間も違うのに、8:30から17:15まで基本的に役場のデスク、時々出かける…なんてスタイル、バカバカしい!例えば子供たちの教育補助の場合、基本的に夕方からが仕事の時間でしょうに。
ほとんどの役場の係長や課長という人種は、朝礼に出席しないと許せないようです

副業をするからその町に利益が還元されることもあるのに、それをやると地域おこしが疎かになるという誤った妄想を役場は持っている。それじゃ過疎は止まらないです。

結構辛辣なことを書いていますが、応募者がなぜ都会から地方へ行きたいと思っているのか、なぜ魅力が乏しいその町へ呼びたいのか、将来どうしたいのか、町長、村長、まちづくり推進課、産業課、企画課といったようなところで働く人自身が、見えていないから地域おこし招致を失敗するのだと思います。

とある町の主査という人が、「うちはうまくいってるよ。定住してるもん」といっていました。しかしその元隊員は、そもそもがその町出身で、Uターンな訳です。そりゃ定住するでしょう。

よくよく調べてみるとおかしな事がある「定住率」などは、きちんと調査した上で地域おこし協力隊に応募した方が良いと思いまます。ほとんどの場合が前述の通り、担当者の思い込み、あるいは良い風に考えれば……というおまけの枕詞が隠されています。

私も含め、多くの地域おこし協力隊は、JICA青年海外協力隊のような活躍を願っているのであり、単なる労働力不足を補うためにいきたいわけではないのです。しかも給料が安く、その土地の物価はいろいろ高いのに。(国保にせよ、東京都杉並区の金額と、北海道の、お年寄りがほとんどのとある町の金額を比べるだけでも驚きます。それで給料が10万ちょっとって、あり得ません)

地域おこし協力隊を招致して、倍率が何倍、何十倍で、みんな3年満期まで更新し続けて、最後には定住しビジネスを成功させる。そんな町、私が調べた限りでは数カ所しかありません。役場の人は、「町民が見ているから」と言ってかなりいろいろな事を制限しようとしますが、役場の施策が不発だったから今の町に魅力がなく、過疎になっていると自覚しなければ、その町は恐らく消滅するでしょう。

市町村民や議員さん、市町村長は、そこを考えなければ明日はありません。「やっている感」を見せるためだけならば将来の地域おこし協力隊員の人生をおかしな方向に持って行かないでもらいたいと願います。