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駅チカのスーパーで【創作・詩】

こんなとこに居るはずもないのに。
わかっていながら、目はあの人を追う。

チーズなんか手に取るはずもないのに。
勘付いてながら、脳はあのヒトか問う。

マスクの上に浮かぶ、目と眉が。
おでこをかくす前髪の感じが。
肩幅が、さらりとした肩くらいまでの茶色の髪が。
歩幅が、ふらりと気ままで定まらぬ足取りが。

ちょうど彼女が好きだったアーティストが
私から音を奪っているせいかも。
イヤホンを取った右手に顔を向けて、視線だけはさらにその先に行く。


こんな地下で会うはずもないのに。
わかっていながら、眼はあのヒトに見える。

私の背より小さいはずもないのに。
勘付いていながら、脳はあのヒトと告げる。

こんなとこに居るはずはないのに。
こんな近くに居るはずがないのに。
こんな地下で出会うはずもないのに。

絶対食べないって言ってたチーズを
いつの間にか、克服してたのかな?
、、、そんなはずは、ないかな。


こんなとこで出会うのだから、あのヒトじゃないよね。
、、、きっと。


2022/11/6
せきひと

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