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ホッとしたいとき、温めたミルクが先のミルクティを。

今年に入ってから、暮らしの手帖社の『すてきなあなたに  よりぬき集』という本を寝る前にお布団の中で読んでいます。

雑誌『暮しの手帖』に1969年から連載している人気エッセイ「すてきなあなたに」から数多のすてきなお話を厳選し、再編集しました。 既刊の「すてきなあなたに」シリーズより軽く、持ち運びもしやすい新しい装釘です。


今よりも前の時代、昭和の頃の気持ちがほっとするようなお話やエッセイが眠る前のひと時をゆったりとした時間にさせてくれます。

そんなこの本の中で、是非自分もやってみたい!と興味をそそられたエッセイがありました。それは紅茶のいれ方についてのエッセイ。

早速実践したところ、想像以上に美味しいミルクティとレモンティをいれることに成功しました。

それ以来何度もこのエッセイで紹介されたやり方を実践し、充実した紅茶時間を楽しめています。

いつもより少しだけ時間と手間をかけると「え?こんなに違うの?」と目を見開いて驚くような紅茶体験ができたので、そのことをシェアしたいと思います。


私は紅茶が好きでよく飲みます。
簡単にいれたいときは、カップにティーバッグを入れて保温ポットからお湯を注ぐ、これでだけです。
お砂糖は使わない派で、はちみつ漬けにしたレモンや牛乳をその日の気分で入れたり入れなかったりします。

こころに余裕があるときは、カップにティーバッグをセットしてやかんで沸かした熱湯を注ぎ、蓋がわりにカップの上に小皿を乗せて茶葉を蒸らします。そしてその後に、レモンや冷たい牛乳をぽちょんと入れて飲む。

こんな感じで、自分ではごく一般的なやり方でいれているつもりでした。

それが『すてきなあなたに』の「ポットにひとつあなたにひとつ」というエッセイを読んでいたら、自分がやっていることの順序を変えたり、ちょっとした手間を加えるだけで美味しさがグッと増した紅茶を飲めるのだと知って、わくわくした気持ちになりました。

使用する茶葉を高価なものにする必要もなく、いつものやり方を少し変えるだけで「なんとまぁ!」と驚いちゃうくらい美味しい紅茶を頂くことができるらしい…。
ならば試してみたい!とエッセイを読みながら私の食いしん坊センサーが発動。行動に移さずにはいられなくなったわけです。



以下、私がこのエッセイをもとにアレンジを加えた紅茶のいれ方です。

■イギリス式ミルクティ(一人分)

牛乳を好きなだけ入れたカップを電子レンジで温めます。(事前にこのカップ自体を熱湯で温めておくとさらに良い。)

この間に、他にカップを用意してそのカップを熱湯で温めてから、改めて沸かしたての熱湯を使って濃いめの紅茶をいれます。(カップに蓋をすると尚いい)

そうしたら、温まった牛乳が入ったカップに、濃いめに作った紅茶を注ぎ入れるんです

これであたたかいミルクティの出来上がり!


カップにしろ牛乳にしろ紅茶にしろ、それぞれに必要なのは熱々な温度でいれること。
紅茶はあっつい温度でいれないと美味しくないことは知ってはいましたが、それが何より大事なポイントで、むしろその一点に尽きるということが今回実践してみてよく分かりました。

熱々な温度をキープするために、カップもしっかり温めることで紅茶と牛乳が合わさったときのまろやかさが一段と増して、ふんわり優しい美味しさが楽しめます。

また、重要なポイントなのが、牛乳の上から紅茶を注ぐということ。

紅茶の方に牛乳を入れても良い気もしますが…前者の方が紅茶の角がとれているような優しい美味しさがあると思います。(気になる方は比較してみて下さい。)

今までに比べれば、少々手間がかかるし、使う食器類も増えます。
だけど、私にとっては今まで飲んでいたものとは別物の満足感のあるミルクティを飲むことが出来ました。

あまりに美味しくて、私はいつもすぐに飲み干してしまいます。
飲み終えると、胃の辺りがじんわり温かくなって、心の底からホッとできます。

ミルクといっしょになった紅茶は、のどをすべるように通ってくれます。寒い夜など、ミルクティは、ほんとに、くつろいだ気持ちにしてくれます。

ポットに一つあなたに一つ


このミルクティ本当に美味しいですよ。
おススメします。

■レモンティ(一人分)

まず、カップに熱湯を注いでしっかり温めておきます。

その間に、別に温めておいたカップにティーバッグと沸かしたての熱湯を入れて自分の好みの濃さに紅茶をいれます。(茶葉を蒸らすときはカップに小皿をのせます。)

そうしたら、最初に温めておいたカップの熱湯を捨てて、その中にレモンのスライスを入れます

その上から勢いよく紅茶を注ぎ入れて、スプーンで軽く混ぜるとレモンの味が均一に紅茶に広がります。

これで出来上がりです!

レモンは後入れではなくて先に入れちゃうこの方法、私は初めて体験しました。これやってみたら分かりますが、レモンをカップに先に入れておくことで、紅茶を注いだ時にレモンの爽やかな香りが湯気と一緒に立ちあがってきます。それがとってもいい香りで、レモンを後入れした時には得られない特別な香りに出会えます。

このやり方でいれたレモンティは、香りだけでなくレモンの爽やかな味を堪能できます。

レモンの上から紅茶を注ぐという行為が、今までの私の概念になかったので、このやり方でレモンティを入れるたびに何だかやっちゃいけないようなことをやっているような不思議な感覚になります(笑)。

でも、それを含めて新鮮な気持ちや愉快な気分になれて、このやり方でいれるレモンティが私はとても気に入りました。


まだまだあたたかい飲み物で体を温めたい気候が続いています。

紅茶が飲みたくなる度に、今回紹介したやり方で丁寧にいれられるかと言えば…正直難しいかもしれない。

だけど、自分をいたわりたい時、
落ち着きたい時、どうしようもなく美味しいものを欲している時に今回紹介した紅茶のいれ方は大活躍してます。

気持ちに余裕がない時に、手間をかけるって考えるだけでもしんどいもんです。
でも、敢えてほんの少し時間と手間をかけてミルクティをいれればいつの間にか心が穏やかになる。出来上がったミルクティを飲めば満たされて少し元気が出る。ものすごく特別なことをしなくても、自分をすこし元気にすることはできる。『すてきなあなたに』で出会った紅茶のエッセイが私にそのことを教えてくれました。



もしご興味が出た方はお試し下さい。

それでは、また~。

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