山下達郎氏のラジオでの発言を聴いて感じたこと

 先日7月9日の『山下達郎のサンデーソングブック』は多くの山下達郎ファンを失望の淵に誘(いざな)った事だろう。
去る7月1日音楽プロデューサーの松尾潔氏が自身とスマイルカンパニーとのマネージメントの中途終了、それに関して所属の山下達郎氏も賛同している旨をツイートした。それを受けて達郎氏が唯一自身の考えを述べられるラジオ番組で見解を出す報道がだされた。
僭越ながら私自身も松尾氏の発言を受けて私なりの考えをnoteにまとめた。

従って今回の達郎氏の発言はその答え合わせをする意味も含めて非常に注目していた。
果たしてその答え合わせは大きな失望を禁じ得なかった。
発言の中で達郎氏は終始「松尾くん」ではなく「松尾氏」と呼び続けていた。これは松尾氏本人も指摘しているように自身と彼との間にとてつもない距離があることを印象づける言い方であった。
そして今回のジャニー喜多川氏による性加害について「一介のミュージシャンである自分が知る由もない」「従ってそれに言及なんかできない」と言った。しかしこれは真っ赤な嘘だ。その理由として達郎氏は松尾氏の発言を「憶測に基づく一方的な批判」と切って捨てたのだ。
もし達郎氏が言うように知る由もないのであれば何故松尾氏の発言が「憶測に基づく一方的な批判」と言いきれるのだろうか?何かしらを知ってるからこそ今回ジャニーズ、スマイルカンパニー側に就き松尾氏の発言をそのように吐き捨て、更には契約終了の理由は他にもある、とあたかも松尾氏の人間性に問題があるかのような印象操作までしてみせたのだ。
この辺はみの氏のYouTubeチャンネルにも詳しく語られている。

そして今回の最大の問題点の「ジャニー喜多川氏の性加害」についての自身の考えは「許しがたいこと」と述べていたがこれは一般論としての考えを言ったに過ぎなくその証左として「許しがたいこと」の前に「本当にあったのだとしたら」という但しをつけてるのだ。これは先の「憶測に基づく」と合わせて今回の騒動を「俺は絶対に認めないぞ」と意思表示した瞬間であった。
性加害は魂の殺人とも言われている。そして今回1人のミュージシャンとしてではなく1人の人間としてどうあるべきか、を問われている。にも関わらず達郎氏はそれとジャニー喜多川氏の才能は別問題、と話の論点をずらす事に終始していた。
単なる性格がよろしくない、というのと才能は別だからは普通にある話だが今回は絶対的な社会悪に対してそれを言ってるのであってそれは達郎氏が絶対的な社会悪を間接的に認めてしまったことになる。その彼の発言、姿勢は勇気ある告発をした元ジュニアたちへの二次加害になったことは想像に難くない。
今回の山下達郎の発言は多くの人を傷つけ絶望に追いやってしまった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?