安樂問題が抱える闇

 既にニュースになって随分とたち、本人の処分も決まっている事だが東北楽天ゴールデンイーグルスの安樂智大投手の後輩選手に対しての虐待問題は球団のみならず、野球界全体に衝撃をもたらした。
兎に角その内容が常軌を逸した行為のオンパレードだった。
後輩選手を下着姿で逆立ちにさせてからその下着をずらして陰茎に靴下を被せる、食事の誘いを断った後輩に深夜に渡るまでの嫌がらせ電話、金銭徴収の強要等々枚挙に暇がない。
事態を重く見た球団は本人に自宅謹慎を命じ、選手コーチ関係者に匿名でのアンケートを実施した。
その結果実に40人もの人が彼の一連の行動を見聞きした、という事であった。
この中には彼の行為を締め付ける事のできる立場の選手コーチがいることは想像に難くないが彼の無法者ぶりが増長されてしまった所にこの球団の体質の悪さが表れていると思う。約3年前私は石井一久GM(当時)の強権ぶりに対して苦言を呈した事がある。https://note.com/sekky1216/n/nc1763151c81a
この記事を書いた時以上に組織の体を成していない感じがして仕方がない。加えて安樂投手ら中堅選手を叱れる立場のベテラン選手との温度差もあると思われる。
浅村栄斗キャプテンは契約更改の時に「もっとチームが変わらないと優勝できない」と言ったみたいだがキャプテンという立場で今回の件に関して何もできなかった事を恥ずべきだろう。加えて投手陣のリーダー格である選手たちにも同じことが言える。
しかし彼らが安樂投手に対して何もできなかったのには明らかな理由がある。
今年日本プロ野球協会が実施した調査で契約更改の満足度ランキングで楽天は12球団中最下位という結果が出た。平均年俸が3位の中でのこれは実にショッキングでズバリ高額年俸をもらっているベテラン、外様選手たちへの不満と言っても過言ではない。その状況でいくら浅村選手や田中将大投手が何かを言ったところで響かないのは明白であろう。
そしてそのようなチームにした原因は三木谷-石井一久の院政が敷かれている事だろう。
しかし来年も石井一久氏はSDとしてフロントに入り、浅村選手もキャプテンのままだ。組織を崩壊しかねない事態にも関わらず一部の人間たちのみで少ないΠ(利益、名誉)のたらい回しをしている状況は楽天のみならずNPBにとってもいい話ではないだろう。

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