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夜の心象風景

歯ブラシを口にくわえる今、22:38。
20:58あたり、鏡の前で濡れた髪をドライヤーで乾かす。コケた頬、ツヤのある髪。父に似てきた顔。
髪を乾かす。
夫は何でも覚えている。あの人のメモリはゆるいのか緻密なのかわからない。すごいなあと思う。
対して私は、あまり覚えていない。子供達が小さな頃のアレヤコレヤもまるで覚えていない。

もしかしたら、自分なりに動いている一時(ひととき)は無駄なんだろうかと考える。覚えていないから。

もしそうなら、ちっぽけだなあ

そんな気持ちに少し驚いて鏡を見る。ドライヤーで髪を乾かし続ける。

・・・

だけれども、どうも曖昧だ。
曖昧はいいが、ボケてはいけない。
駐車場で逆走してはいけない。
しっかりしなければ。

23:13。
今なら雷に打たれたって平気だ。いや、痛いな。