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私、を際立たせる。

毎週土曜日に、LinkedInから "you appeared in xx searches this week" というメールが届きます。最近、特に職探しをしているわけでもないので、LinkedInのプロフィールページももう1年半ぐらい更新していないし、自分のどんな職歴・スキルがサーチに引っかかっているのか興味もなかったのですが、久しぶりにログインしてみたら面白いことを発見。

先週、14人の組織・個人からのサーチに引っかかったという私の職歴・スキルのキーワードがばらっばらなのです。 前職の雇い主、今の雇い主、前職のタイトル、元仕事仲間にエンドースされていたスキル、昔派遣されていた途上国の組織名、今の仕事に関わるサブセクター名称。 どれも私自身が仕事上のアイデンティティにしていないことなのに、ヘッドハンターやスタッフを探している組織には興味がある内容なのだなあと改めて感じる機会でした。

40代も半ばになって、同じ業界で20年近くも働いていると、やはり自分ブランドは固まってくるものですが、LinkedInのような過去の実績・経歴重視の場(そしてそれは多分色々な組織の人事担当の視点でもあるのでしょう)ではそれが良くも悪くも転職機会の追い風にも向かい風にもなるような気がします。あくまで、私が何をこれからしたいかではなくて、私が組織に対してどんな実績や経験を差し出せるか、でしか見てもらっていないような、ちょっと苦手な感覚です。 多分、買い手市場に便利なシステムなので、仕事はハントして獲るものと思っている私には親和性が低いのでしょうね。

とは言え、今どき誰かを雇うときに候補者をLinkedInで検索しない国際機関なんて無いので、LinkedInも足切り材料にされると思っていて良いと思います。 その上でめでたく試験や面接に進めるのだとしたら、次は自分の過去の略歴に含まれていなかったり埋もれがちな、スキルや経験や強い興味や情熱と言ったものをCVやカバーレターで浮かび上がらせることがどれほど重要か。 応募者が何百人もある中、誰もぱっと見はある程度同じような形と色で、本来比較されるべき中身については、ふたを開けてもらって初めて理解されるもの。 スーパーに並んだ同じような見た目のビールから1本だけ選ぶときみたいに、目に入る印象と、限られた情報からアピールされるべき本質をしっかり前面に出して、「私」が何者かを際立たせていかなくてはならないのかな、と思いました。(ということで、トップの写真はミュンヘンのスーパーのビール売り場のもの。天国か、ここ。笑)

私はCVやカバーレターを書くとき、一番最初に特筆すべき自分のセールスポイントを5つぐらい(相手先に合わせて)決めて、その5つのキーワードがハッシュタグで出るぐらいに強調させるようにしています。 そのポイントが際立ったら、多分CVも相手組織の求める人物像に沿って書かれた、使いまわしされていないもののように見えるのも事実。 そして、その5つのキーワードをあまり見ない組み合わせにすると、面接でも割と面白がられて聞かれることが多いです。 日本の「あなた色に染まります」的な学生を求める新卒一斉採用の就職(じゃなくて就社)には絶対関係ないですが、海外・国際機関での仕事や、獲りたい仕事・ポストがあるなら、「私」に興味を持たせるための際立たせ戦略が、ひとまずショートリストされるための第一歩なのかもしれません。

なお、私はあまり実益がなさそうなので、あまり活用していないLinkedInですが、転職エージェントである友人は、何年も前からグローバル志向の日本人ビジネスパーソンこそ活用すべき!と熱く語っています。以下、ご参考まで。

私が友人にリンクトインを勧めてきた、3つの理由。 (Probidy Global Search、社長ブログより)

なんだか最近若い人から相談されることも、noteで書いていることも、国際機関やら海外での転職のことが多めです。 ま、海外転々としてきたこの20年で5組織・8ポストを繋げてきたのだから、経験値は語るに足りるか。。。 いずれにしても、中堅を越えたら、組織に選ばれるためには、キャラ立ち・面白いハッシュタグを持つ人材にならなくてはね。