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「豊かさ」ドリブン

皆さんのお陰もあり、株式会社K-modelも第一期が無事に終わりました。
はじめての経営に四苦八苦しながらも、昨年はK-model の法人としての人格を言語化する年でもありました。

いま流行りのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)みたいなことはホームページに書いてありますが、それよりももうちょっと抽象的に大切にするべき会社の意義とは何なのかを考えていました。
せっかく会社の代表をしているのだから、出来るだけ自分が納得できる形で仕事をしていきたい。
そんなことを考えながら、現時点では「豊かさ」という価値観で経営方針を説明できる気がしてきました。

すべての活動は「豊かさ」のバランスを意識する。

会社は、企業活動を通じて社会とつながる場所です。
会社で働くということは複数の要素があり、その要素を抽象化して「豊かさ」という言葉に集約してみました。

私が言う「豊かさ」には、以下の5つが含まれています。

  • お金(売上、給料)

  • 仕事の面白さ(新しい経験、学習)

  • 達成感、人生の充足、新たな景色

  • 他人との共感、連携

  • 働きやすさ

ひとつずつ紐解いていってみたいと思います。

① お金(売上、給料)

資本主義社会で生活している限り、お金から逃げることはできません。
会社にとってお金はゲームにおけるヒットポイント(HP)みたいなもので、なくなると例外なく死にます。
その会社がどれだけ新規性の高いユニークなアイデア(魔法)を持っていても、それを実現できる優秀な人材(魔法使い)がいても、お金というヒットポイントがなくなれば死にます。

そして、お金はわかりやすい「豊かさ」の象徴でもあります。
現代では、お金があればほとんどのことが手に入ります。
良いところに住んで、良いものを買って、良いものが食べられる。

この現象をもう少し深堀すると、お金を払うと誰かが何かをしてくれる、ということです。
レストランでお金を払うと、漁師さんが取ってくれた魚をトラックの運転手さんが市場まで運んでくれて、コックさんが仕入れて調理してくれた料理を口にすることが出来る。ということでもあります。
この仕組みは、企業活動でも同じで、お金があれば自分が出来ないことも誰かに依頼することができます。

この「お金」=「誰かに何かを依頼できる券」をどれぐらい稼いで、どれぐらい社員に還元して、何にどれぐらい使うのかを決断するのが資本主義における会社そのものといっても過言ではありません。

ただ、それだけだとあまりにも拝金主義で味気ないですし、「豊かさ」とは程遠いのでお金をベースに考えつつ、残りの4つのバランスをどう取っていくかという話になります。

② 仕事の面白さ(新しい経験、学習)

そもそも、仕事とは面白いものである。というのが、私の基本的な考えです。
ここでの仕事とは「何かを作り出す、または、成し遂げるための行動」と定義します。

仕事は旅のような要素を多く持ちます。
思わぬ足止めを喰らったり、寄り道することになったり、思っていたところと違うところへ行く羽目になったりします。
そのたびに、何かを考え、工夫して学習して経験を深めていきます。
別にどこかに辿り着かなかったとしても、仕事の過程で人としての深みみたいなものを習得する面白さがあると思っています。

そのために重視するのは、結果の数です。
年末年始のテレビでローランドさんが「失敗は勝ち点1、成功は勝ち点3、チャレンジしないのが勝ち点0」と言っていて、まさにその通りだと思いました。
やるからには成功した方が良いですが、失敗を恐れて結果を得られないとなにも起こりません。
チャレンジして失敗したら、少なくとも新しい経験が手に入ります。
致命的な失敗はダメですが、立ち直れるのであれば失敗による悔しさ、苦しさなどは次の何かにつながります。

2023年に特許取得、モノづくり補助金申請、SNS広告、アーティストへの協賛などをやってみたのも新たな経験を得るためで、やってみた結果は思ってもみないことばかりでした。
今年も色々と新しいことをやる予定ですし、思いつくことがなくなるまで継続していこうと思っています。

③ 達成感、人生の充足、新たな景色

ここまで失敗しても良い、みたいなことを書いてきましたが、成功は大切です。
成功は明らかなレベルアップをもたらし、これまでの不安を払拭し、チームに勢いをもたらして、参加者の勲章になります。
さまざまな事柄の実績解除をしていくと、視座が上がり、視野も広がって新たな景色が見えてきます。

こればかりは自ら経験するしかありません。
グランドキャニオンの話を100回聞いても、1回見たことにはならないのと同じです。

成功するためには諦めずにチャレンジする必要があり、お金と時間も必要になることが多いでしょう。
あとはタイミングとか運などの要素も必要になります。

また、新たな地平に立つと新しい目的が見つかったりします。
最近、長期的な目標を立てることに意味を見出せなくなっているのですが、根本的な原因としては「新しいところに辿り着いたときに、自分が新しく何を思うかなんて予想が出来ない」というのがあります。

今年成し遂げたいことはありますが、それに至った先はこれからみんなで道中を楽しみながら考えていきたいという気持ちです。

④ 他人との共感、連携

どんなに強がっても、人間は社会的な生き物だと思います。
寂しさが住むのは、自分の中ではなくて人と人の間です。
仕事を通じて他人と理解を深めるというのが、ひとつの癒しであり人間らしい活動のひとつだとすら感じます。

お金、自己の成長、成功のためだけに仕事をするのは、あまりにも味気ない。
出来れば仕事をしている間に、何か相手と理解し合えたと思えるような仕事をしていきたいなと思います。
まぁ、こればっかりは相手があることなので、方針というよりは祈りに近いですね。

⑤ 働きやすさ

最後は「働きやすさ」です。
この中には、時間、場所、体制、権限、心理的安全性などが含まれます。
出来るだけ短い時間で結果を出すために、適切な体制にしかるべき権限を付与して、もっとも効率的な場所で出来るだけストレスなく働いてもらう。

「働きやすさ」を犠牲にしないと得られない結果は、そもそも分不相応な結果な可能性が高いです。
本当にその結果が欲しいのであれば高負荷で頑張る続けるのではなく、能力の見直し、体制の見直し、スケジュールの見直しなどをするべきでしょう。

健康や家庭や趣味を犠牲にしてまでやらなければいけないことは、それほど多くありません。
ましてや、仕事がそれであるかは一考した方が良いでしょう。
仕事が趣味の人は長時間働いても良いでしょうけど、それを他人に強制するのは話が違うと考えています。

まとめ

長々と書いてきましたが、2024年は 5つの「豊かさ」の指標を基に今取り掛かっている複数のプロジェクトがどの「豊かさ」に寄与しているかをチェックしながら活動していこうと思っています。
例えばですが、以下のようなことが無きようにしていきたいと思っています。

  • 売上はあがっているけど、働きやすさを圧迫している。

  • 成長しているけど、売り上げにつながらない。

  • 頼られてはいるけれど、お金にはつながっていない。

  • 働きやすいけど成長がない

少なくとも 5つのうち 2つの要素が強く出ていることをバランスよく続けていけば、いい感じで2025年を迎えられるのではないかなと思います。

答え合わせは1年後ということで、今年もよろしくお願い致します。

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