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ssmjpのガチ運用会に行ってきた!

2019/11/11(月)にssmjpに参加してきたので、その経緯と感想をまとめます。
ssmjpってなに? って人はこちらをどうぞ。

2つの参加動機

運用設計の教科書を無事に出版できたし、どこかで沢渡あまねさんに挨拶に行かないとなぁ、と漫然と考えていました。
あまねさんは私に技術評論社を紹介してくれた恩人です。
あまねさんがいなければ、今回の形での出版はなかったでしょう。
とりあえずメールで出版のお礼を伝えていたが、どこかで直接会って礼をするのが社会人としてのマナーでしょう。

しかし、あまねさんは忙しく全国を飛び回っている人気者です。
捕まえるのは容易ではありません。
定期的に講演や勉強会に登壇されているので、そこを捕まえるしかない。
そんなレアポケモン(あまねさん)を捕まえるべく、私はツイッターなどをまめにチェックしていました。

しばらくすると、レアポケモン(あまねさん)がssmjpという勉強会に登壇するという情報をキャッチしました。
その日はさらに、かねてから資料などを拝見していた運用設計ラボの波田野さんも登壇するとのこと。
波田野さんも書籍発売の際にツイッターでは少し絡ませていただいたので、どこかで挨拶しなければと考えていました。

内容もガチ運用会。さらに無料!? これは……俺得じゃね?
募集内容を見ていると「感想などをアウトプットします枠」という枠が。
これ、俺が適任じゃね?(勘違い) ってことで、ポチッと予約。

一人で初めての勉強会に行くので、完全アウェーになることが予想されましたが、そこはまあ、私の特技である「アホのふりして突撃」でなんとかなると判断しました。

……ということで、勉強会に参加して運用の見識を深めると同時に、あまねさんと波田野さんに挨拶をするというミッションをもっての参加となります。


会場に着いたよ!

会場はDMM.comさんの会議室。
広い。
そして綺麗。
画面もプロジェクターじゃなくてしっかりしたヤツ!
この会場を普通に借りたらいくらになるんだろう? という無粋な推測をしてしてしまう。
写真は会場にいた運用☆ちゃん。

会場にいた運用☆ちゃん

DMM.comさんも勉強会を主催しているようで、connpassで速攻グループに参加しました。みなさんもぜひ。

アウトプットする枠なので内容聞き逃さないように素早く前の方の席を陣取り、会場の後方を見るとさっそくレアポケモン(あまねさん)発見。
善は急げ、ということで小走りでにじり寄って捕獲して、お礼を伝えることができました。

「運用設計の教科書、全国の書店で面だしされてて好調ですね」

あまねさんからねぎらいの言葉をいただく。
実は全国の書店を巡っておられるあまねさんから、各地の書店の運用設計の教科書の様子を写メって送っていただいていました。
写真は先日送っていただいた大阪ジュンク堂。

大阪ジュンク堂 (2)

何から何まで至れり尽くせりの人格者。それが沢渡あまねという人(レアポケモン)なのです。

偶然、隣に波田野さんもいて挨拶させていただくことができました。
そして今回もう一人の登壇者の鄭昌浩さん(ちゃんほさん)ともご挨拶させていただいて、会場入り5分にして目的は達成しました

こうなれば、こっちもんですよ。
あとは全力で勉強会を楽しめばよいだけですから。
めでたし、めでたし。

さて長い前置きがようやく終わり、ここからがセッションの感想です。
セッションの中身については、各資料を見ていただければと思いますので、私の感想を中心に少し書いていきます。

セッション① クラウド時代の運用設計(鄭昌浩さん)

ちゃんほさんの資料

ちゃんほさんのセッションは実際の体験も踏まえながら、臨場感のあるエキサイティングな内容でした
運用担当者としての苦労が節々に感じられ、昔の記憶を思い出して涙をかみ殺していました。
途中、運用設計の教科書も紹介していただいてありがとうございました。テンションは爆上がりです。

クラウドサービスをどのように運用していくかは、今後IT業界全体で考えて整備していかなければならないことだと考えています。
クラウド化することによって、今後の運用は保守よりも業務中心になっていくことは避けられないでしょう。
まずはクラウドサービス運用で必要となる新たな役割を定義しないといけないかと、個人的には思います。

「可制御性と可観測性」のお話ががとても興味深い内容でした。

 可制御性 … システムの状態を入力で動かすことができるか?
 可観測性 … システムの状態を出力から推定することができるか?

クラウドになると、このどちらもオンプレとは考え方が変わってくるというお話でした。
システム運用に学術的な考え方を取り入れていく力がある人は強いな、と改めて再認識いたしました。


セッション② 運用エンジニアにとって大事な視点(波田野さん)

波多野さんの資料

波田野さんは私よりも現場寄り、そしてアカデミックといった印象でした。
論文も書かれているということで、最近私の中で論文ブームが来ているのでどこかでそのお話を聞きたいなぁと思いました。

運用体制に関しては、共感して頷きすぎて首がもげるところだったけど、何とか持ち堪えました。さすがです。
属人化するべきところと、一般化していくところを明確に言語化する必要は私も常々考えていて非常に参考になります。
運用能力(スキルセット/マインドセット)をどのように定義して教育していくべきか。
運用業務を言語化して、経営層とどのように合意を取っていくか。
そのあたりが運用が評価されていく上で必要となってくるでしょう。

アウトカムについてのお話は、今読んでいるHIGH OUTPUT MANAGEMENTの内容と合致する部分が多く共感しました。
アウトプット(ふるまい)ではなく、アウトカム(実現すべきこと)を決めてそこをコミットする。
これはライザップと同じ考え方なので、一般でも理解されやすい話かもしれませんね。

「ITILなどの規格ものは自己監査で使うのは良いが、外部監査はやらない方がいい」というのは、運用現場を経験した人であれば実感できる話かなと。
現場を理解していない人が規格をふりかざして監査を始めれば、現場はそれを回避するための施策、つまり監査の瞬間を回避するためだけに膨大な時間を割くようになる可能性がある。
それが意味がある場合もあれば、まったくの無駄な場合もあると思います。

規格を正しく利用するためには、自分たちの業務に合わせて規格をローカライズすること、そして規格を利用することによるチームの自浄作用だと思います。
このあたりは個人的にも引き続き考えていきたいことの一つです。


セッション③ ライフサイクルマネジメント(沢渡あまねさん)

あまねさんの資料

初めてあまねさんの登壇を聞かせてもらいましたが、圧巻です。
発声もよくて場をまとめていくパワーがある。
動きの無駄がない。
話が分かりやすい。
そして、ワードも強い。

「おはよう」から「おやすみ」までを想定してデザインすることが設計とか、ライオンの提供でお送りしそうなパワーワード!
こりゃ、もうエンジニアではなくて芸能人だな、と思いました。良い意味で(笑)
細かい話はみんなで「業務デザインの発想法」を読みましょう!

中でも共感したのは「現在地説明能力」という言葉。
運用をしていると、いったい自分が何をやっているかわからなくなることはあります。
運用設計の重要なことは、業務も作業も運用者も迷子にならないようにすること。
しっかりした運用設計とは、運用者が「現在地説明」ができるようになることだと思います。


懇親会(おまけ)

せっかくだったので厚かましくも懇親会にも参加させていただきました。
皆さんと有意義なお話をしつつ、なぜかサメ映画の話に(笑)今度、僕も見ておきます。

それにしても、エンジニアって人種は情報共有意識も高いし自己研鑽にも積極的で、リスペクトできる人が多いですよね。
私も有益な情報を発信できたらいいなと、帰りの電車に揺られながら思いました。


運用設計の教科書をよろしくお願いします!
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