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仕事と居場所について

前回の続きです。

メンタルの話を聞くとき、その人の居場所について考えることがあります。
人間は社会的な生き物なので、どうしても居場所が必要です。

アメリカの社会学者レイ・オルデンバーグさんが、著書『ザ・グレート・グッド・プレイス』(The Great Good Place)で「サード・プレイス」というものを提示しています。(原文は英語なので読んでないです、申し訳ない)

「ファースト・プレイス」は、自宅などのその人が生活を営む場所。
「セカンド・プレイス」は職場で、おそらくその人が人生で最も長く時間を過ごす場所。
「サード・プレイス」は、自宅や職場とは隔離された心地の良い場所を指します。

どのような3つの居場所をその人が持っているのか? というのが最初の問いになります。

上京したての若者であれば、ファースト・プレイスがワンルームで貧弱な状態かもしれません。
ブラック企業に就職してしまった人は、セカンド・プレイスが他の居場所を侵食している可能性があります。
バリバリ仕事をしていたけど、子供が生まれて家事に専念している人は、セカンド・プレイスを失っている状態になります。
無趣味な人は、サード・プレイスを持っていない状態です。

メンタルが不調になってくる方の特徴として、この3つの内2つ以上が崩壊している、もしくは崩壊に向かっている、もしくは無い場合が多い気がします。
なので、やっぱり趣味を持っている人はメンタルが強い傾向があると言えます。

サード・プレイスとは

サード・プレイスは、自宅での肩身の狭さや、職場での肩書などから解放される場所であるとされるので、趣味の場所であることが多いでしょう。
行きつけのバーやカフェ、と書いてありますが、日本人だと趣味でやっている草野球チームやフットサルチーム、人によっては雀荘だったりオンラインゲームだったり様々でしょう。

真のサード・プレイスは以下の特徴があるとされています。

  • 無料あるいは安い

  • 食事や飲料が提供されている

  • アクセスがしやすい、歩いていけるような場所

  • 習慣的に集まってくる

  • フレンドリーで心地よい

  • 古い友人も新しい友人も見つかるようなところ

私は若いころ音楽をやっていたので、いまは無き新宿JAMや下北沢ガレージなどのライブハウスは、わたしにとっての「サード・プレイスだったなぁ」と懐かしく思い出します。

セカンド・プレイスで噴出する問題

セカンド・プレイス(職場)については、仕事内容と人間関係と金銭の問題が発生します。

  • 仕事内容と給料には満足しているけど、人間関係に悩まされている。

  • 人間関係は良好だけど、給料も安いしずっとこの仕事を続けていても未来が見えない。

  • 明確な強い不満はないけど、仕事内容も給料も人間関係も満足しているわけではない。 などなど。

この問題の2つ以上に不満があると、異動や転職を考えることになることが多いと思います。
ただ、セカンド・プレイスは社会とのつながりをもたらしてくれるので、金銭的な意味以外でも、ないと不安になります。

3つの居場所のバランス

この3つの「プレイス」すべての居心地が良いと、最高の人生だと言えます。
ただ、まぁ、なかなか、そうは問屋が卸してくれません。
一時的に3つが最高の状況になったとしても、諸行は無常です。
それぞれの居場所はメンテナンスが必要で、ほったらかしにしておくと崩壊していきます。
そうなるとバランスは崩れてしまいます。

3つの居場所のどこにどのような問題を抱えているのかを理解することも、メンタルを持ち直す一助となるでしょう。


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