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道がすでに楽しい!おすすめドライブコースと道の話

みなさん、今年のゴールデンウィークはどう過ごされましたか?
久しぶりに普段行かないところまで少し遠出した、という方も多いのではないでしょうか。

ところで連休が明けたこの時期は、その反動で観光地も少し空き、さらに気候的にもちょうどよいため、実はドライブにうってつけの時期なんです!

そこで今回は、ドライブ好きさんも満足の、目的地だけでなく「道を走ることそのもの」も楽しめるドライブコースをご紹介します。

記事の後半では、知ればもっとドライブが面白くなる、「道路の雑学」についてもお話しします。
今まで気にせず走っていた道路の秘密を知れば、ドライブをまた一味違う視点でも楽しむことができるはずです。

ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!


「道」がすでに楽しい!おすすめドライブコース3選

ドライブは時に、目的地までの手段になることがあります。
ですがドライブ好き・車好きさんにとっては、愛車で走る楽しさを思いっきり味わえるのが、ドライブの醍醐味のひとつだったりしますよね。

そこでこの記事では、目的地だけでなく「道」を走ることがすでに楽しいドライブコースを、3つご紹介します。


箱根ターンパイク・芦ノ湖スカイライン・箱根スカイライン(神奈川県~静岡県)

一つ目は、箱根ターンパイク・芦ノ湖スカイライン・箱根スカイラインです。

実は目にしている人も多い!?箱根ターンパイク

「箱根ターンパイク」は、高低差による傾斜やカーブが続くものの、道幅があるため比較的走りやすい道路です。

自動車メーカーの走行テストや撮影などでよく使われるため、ドライブ好き・車好きなら聞いたことがある方も多いかもしれません。これからの時期は沿道のあじさいも見ごろですよ。

芦ノ湖スカイラインから望む富士山
距離が短くても、箱根スカイラインは絶景ポイントの連続

続く「芦ノ湖スカイライン」と「箱根スカイライン」は、芦ノ湖をはじめ富士山、駿河湾までをも望むことができる、胸のすく眺望が魅力の道路です。

芦ノ湖スカイラインの路面には珍しい仕掛けがされていて、表面に特殊な溝が施された区間を時速40キロで走行すると、箱根スカイライン方面へ向かう道では童謡の「ふじの山」が流れます(逆ルートでは、「残酷な天使のテーゼ」)

メロディを安定したテンポで奏でられたなら、あなたの運転技術はなかなかのものかもしれません!

箱根ターンパイク・芦ノ湖スカイライン・箱根スカイラインは別の道路ですが、連続して走れること、それぞれ長い道路ではないことから、1日でまとめて走破できます。とはいえ道中の見どころも多く、特に芦ノ湖周辺は宿泊施設やレストラン、カフェなどが充実しているため、1泊してゆっくりドライブを楽しむのもおすすめです。

なお、いずれも有料道路ですが払う価値はありますよ!詳しい情報は、各道路の公式サイトをご確認ください。

※「箱根ターンパイク」の呼び方は通称です。ネーミングライツ(命名権)制度を採用しており、現在の正式名称は「アネスト岩田ターンパイク箱根」です。


ビーナスライン(長野県)

二つ目は、これぞ信州!というような高原ドライブを楽しめる、「ビーナスライン」です。

高原を縫うように続いていくビーナスライン

ビーナスラインは、長野県茅野市から白樺湖、車山高原、霧ヶ峰高原および湿原の横を抜け、美ヶ原高原美術館までをつなぐ、全長およそ76kmにおよぶ無料のドライブコースです。

特に、白樺湖から八島ヶ原湿原のあたりまでの区間は、視界の開けた高原風景の中をゆるやかに縫うワインディングロードが楽しめる、ドライブ好きにイチオシの区間です。

さらに沿道には高山植物が群生し、6月頃からはレンゲツツジ、7月頃からはニッコウキスゲの花が見ごろとなります!

7月頃、沿道にはニッコウキスゲが咲き誇る

低地が次第に暑くなってくる頃、さわやかな風が吹き込む車窓から眺めるビーナスラインは、美の女神「ビーナス」の名を借りるにふさわしい楽園と言えるかもしれません。


千里浜なぎさドライブウェイ(石川県)

三つ目は、石川県羽咋(はくい)市から宝達志水(ほうだつしみず)町まで、能登半島の根本をなぞるように走る「千里浜なぎさドライブウェイ」です。

千里浜なぎさドライブウェイで日本唯一の砂浜ドライブを

千里浜なぎさドライブウェイの魅力は、なんといっても砂浜をドライブできるという点です。普通車のタイヤがはまることなく走れる砂浜は世界でも珍しく、日本ではなんとここだけなんです!

「走れる砂浜とはいえ短いのでは?」と思いきや、全長およそ8kmと思ったより距離もあります。

想像以上に海が近い!

青い空の下、遠浅の穏やかな海のふちに沿って走る日中のドライブも最高ですが、夕日の時間もぜひ訪れていただきたいところです。天気が良ければ日本海の水平線に沈んでいく夕日を見ることができます。

駐車スペースは通行帯より海側にあるので、海に沈む夕日をバックに愛車の写真を撮る、なんてこともできますよ。

なお、夏は海水浴客の安全のため臨時交通規制がかかります。他の時期より混雑が予想されますので、ゆっくり砂浜ドライブを楽しみたい方は、少し時期をずらすと良いかもしれません。


道路に隠された秘密。スムーズに曲がれるのには理由があった!

遠方のドライブコースへ走りに行くときには、高速道路を使う方が多いと思います。休憩で立ち寄るサービスエリアも楽しみの一つですよね。

ところで、一般的にまっすぐで走りやすい高速道路ですが、ジャンクションや進入路、山間部など、きついカーブもあります。それにもかかわらず、一般道より速いスピードでも曲がりやすいと感じたことはないでしょうか。

また国道などでも、カーブはあるけど他の道より走りやすい、と感じたことがあるかもしれません。

実は、高速道路や国道のカーブには、道路幅や交通量以外にも曲がりやすい理由があるんです。


ただのカーブじゃ曲がれない!?

ここで少し、運転しているときのハンドル操作を思い出してみましょう。

まっすぐな道を運転しているときはハンドルもまっすぐ、カーブ(円弧を描く曲線)を曲がっているときは、ハンドルもカーブの曲がり具合に合わせて一定の角度に傾けていると思います。

では、まっすぐな道とこのカーブが直接つながったら、どうでしょうか。
カーブに入るタイミングで、そのカーブに合った角度まで一気にハンドルを傾けなければなりません。このときスピードが出ていると、ハンドル操作が間に合わない可能性もあります。

もし高速道路にこんなカーブがあったら、曲がり切れなかった車の事故が多発してしまうかもしれませんね。


道路には特別なカーブが使われている

この曲がり切れない事故を防ぐために、高速道路や比較的新しい一般道に取り入れられているのが、「クロソイド曲線」という特別なカーブです。

ジャンクションは、クロソイド曲線の「見せ場」

曲がり具合が一定の円曲線と違い、クロソイド曲線は、曲がり具合が一定の割合で変化していく曲線です。

そのため車が一定の速度で走るとき、ハンドルを一定のスピードで回していけば、ピッタリとカーブに沿って走行することができます。

実際の道路では、直線と円曲線のカーブをつなぐ緩和曲線として用いられています。こうすることで、直線からカーブに差し掛かるとき、急ハンドルを切る必要がなくスムーズに曲がることができるのです。


「イイ道」を生むのは、「イイ仕事」

走っていて「なんとなくいいな」と感じる道路には、実は私たちが気づかないくらいの様々な工夫がされています。
そこには、「イイ道路」を造って支えてくれる人たちの、「イイ仕事」があります。


道路ができるまで

道路は、多くの人の仕事によってつくられます。どの仕事が欠けてもいい道路を造ることはできません
ここでは、私たちの生活に欠かせない道路ができるまでの、簡単な流れをご紹介します。


1.計画 
国道なら国土交通省、高速道路なら高速道路会社などの事業主体が、どこにどんな道をつくるかを計画します。
交通量や環境の調査、住民説明なども行っていきます。

2.測量

道路を計画している場所の地形を測って、後の工程の基本となる正確な地図をつくります。

3.設計
調査や測量の結果をもとに検討し、道路の詳細な設計図をつくります。

4.施工
事業主体により、住民への説明や必要な土地の買い上げなどが完了したら、いよいよ実際の工事を行います。


道路の完成・供用後も、定期的に点検・補修などの維持管理を行っていくことで、長く安全に使うことができます。

なお、道路計画を進める事業主体(国や自治体、高速道路会社など)による、地域住民への説明会は、計画段階だけでなく、施工前の段階などにおいても都度行われます。


道をつくるのはどんな人?

あるときから道路に「クロソイド曲線」が取り入れられるようになったように、道路も日々進化を続けています
これからも、私たちの生活スタイルの変化や自動運転技術の進歩などにより、道路に求められる機能やありかたは変化していくと考えられています。

そんな道路を切り拓いていく仕事に関わっているのは、こんな人たちです。

計画に関わる

国土交通省や都道府県、市町村、高速道路会社などの技術系職員
建設コンサルタント会社の環境調査技術者 など

測量に関わる

測量技術者 など

設計に関わる

土木設計技術者(道路設計技術者) など

施工に関わる

施工管理・現場監督
舗装工(路面をつくる・切削する)
塗装工(ライン等の路面標示を設置する)
重機オペレーター など


まとめ

いつも何気なく使っている道路には、走りやすくするための工夫や、それを実現するための技術が詰まっていました。

今度のドライブでは、そんな道路の秘密も思い出しながら走ってみると、また新しい発見があるかもしれませんね。

それでは、安全運転で楽しい休日をお過ごしください!


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