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大人になったと思う

ああ、ついにこんな題名をつけてしまった。最近、こう思うことが増えたから、そろそろ書こうと思っていた。今、2泊3日の北海道旅行の帰り、船の甲板でこれを書いている。

9月2日の入道雲は、まだ夏だと言うことをニコニコしながら教えてくれているようにも見える。昔から入道雲の形は殆ど変わらなくて羨ましい。

さて、今回の北海道旅行は、僕が幼い頃に家族で行ったホテルに行くのが目標だった。

もう、何歳の頃かは覚えていない。ただ、あの頃の記憶が少しばかり、映像ではなく写真として記憶に残っている。

僕の家族は今、ぶっ壊れて砂漠と化している。昔盛り上がっていた動画サイトのように、まさに砂の惑星の様だ。あの頃の幸せに満ちたオーラは今の家族からは感じないし、もうどう組み直しても元には戻らない。ごちゃごちに混ぜたパズルのようだ。父は新しい家族を作って出て行った。兄弟3人と父と母、憎しき笑顔で写った5人の写真が僕のパソコンに残っている。

あの頃の幸せと、10年以上経って崩壊した形ない家族となった今、かつての思い出で綴られた場所に行ったら自分は何を想うのか。ただそれだけの興味で、同じホテルを予約して向かった。

結論から言えば、書けるような考えはまとまらなかった。ただ何となく、幸せについて、結婚について、子供の育て方、一緒に行った親友とああはなりたくないとか曖昧な話をした。でも明確に、こうだ。というのはまとまらなかった。

きっと、とっくに自分で蓋をしてしまったから。うん。嫌というほど考えや想いが浮かぶ僕が、家族のことになると何もまとまらなくなる。何が正しくて間違いなのか、どんな想いがあの人にあるのか。ホテルの部屋で親友と家族について語り合ってもみたが、話してる最中、何について話してるんだっけ?と思うことが何回もあった。やっぱり、家族に対する悩みとか想いというのは友達や親友に感じる悩みや想いとは全く違う。だから家族は大切だ。特に幼少期の家族との関わりは大人になってからも大きな影響を及ぼしてくる。僕はそれを理解した上で、一歩引いた場所から自分と家族を見ることが出来ている。大変だった。安易ではない。逃げているだけかもしれない。いつか勇気を出さなきゃいけない日が来る。

ちょっと覗いただけの世界で、住むか住まないかを決めていた。善し悪しもすぐに決断していた。当事者として最も近い場所からの意見を吐いていた。今は、まず一歩引いた場所から見るという段階を、無意識に作ることが出来るようになった。大人になるというのはこういうことである気がする。他人にそんな期待を寄せないし、常に自分の成長について考えている。成長を止めないようにこれからも生止まらないように、毎日を過ごそうと思う。頑張ってるね自分。偉いよ。

【終

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