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内定式に参加して感じた「生きる為の大きな壁」



大人になりたくない。

 そんなことを僕はいつも吐き捨てるようにnoteに書き残してきた。20歳になると大人になる気がしたから20歳になるその瞬間までお酒を飲まなかった。アルバイトも免許もなるべくその瞬間が遅くなるようにしていた。そんな日も、もう懐かしい。

 振り返れば20歳になることが、僕の中での大人になる瞬間で間違いなかったと思う。お酒を飲むようになってから人付き合いも大きく変わった。アルバイトもバーテンダーが出来るようになった。そのお陰で出会えた人も沢山いる。ただ、その次の壁というか、第二章はこの就職というイベントである気がする。そしてその序章が、今回の内定式であったと思って今この文を書いている。

 悲しくて何故か悔しい瞬間だった。じわじわと溢れる涙を、溢れまいと言い聞かせながら、その瞬間を瞳の奥で感じていた。そして、役員の人から同期の代表が内定証成るものを受け取った。

 大人になったと実感した瞬間だった。

 ああ、遂に始まったかと。学生終了までのカウントダウンが頭の上に表示されたようなそんな瞬間であった。これを味わうのは2回目だ。20歳になってしまう前にも、カウントダウンが始まる瞬間があった。でも、今回はその時とは違う重さがある。本当に学生時代が終わってしまうからだ。"人生の夏休み"という代名詞を先人が作ったくらい、時間に溢れた大学生時代もあと4ヶ月で終わりを迎えようとしている。卒業の代表日3月9日までは、今日を入れてあと119日だ。119日で、社会人になる。119日で社会人になる準備をしなければいけない。今までの学びはこの為だったと感じる瞬間を浴びなければいけない。21歳の大学4年生を生きる僕が、今感じている社会とはそれだけ大きな壁で、殆ど見えない怖い場所である。体じゃなくて心が怯えているのが、あの瞬間からずっと伝わり続けている。

 時間は流れ続けている。幸福も不幸も必ず訪れる。夢を諦める瞬間も、叶う瞬間も訪れる。後ろを振り返って見ても、そんな瞬間で溢れていて、しっかりと時間が流れたことを象徴している。社会人になるのは避けられない。あと4ヶ月をどう生きるかで、社会人になった後の生き方が変わると思う。後悔しないように生きなければいけない。そして何度も何度もそう思い続けて人は歳を重ねる。絶対に外れられない道がある。時間を止めることは人間にはまだ出来ない。どんなに人と違うことが出来ても、同じ時間、瞬間を過ごしていることだけは地球で生きるすべての人が共通している。今も何処かで誰かが生まれて、喜んで、泣いて、苦しんで、死んでいる。しゃがみ込んで砂をいじってる暇はない。立ち上がって、前を見て一歩ずつ着実に歩みを進めなければいけない。今日も頑張って生きる。

(終)


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