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女だから・女なのに・女のくせに

物心ついたときから

「かしこいね」

と言われてきた。

幼稚園のときですでに、周りのやつはみんなわたしよりバカだと思っていたし、小学校のときも自分が学年で一番かしこいと思っていた。

とまあ、性格が悪かったので、人望は全くなかったのだが、思い出の改竄を差し引いてもかしこい方だったと思う。

なんで自分をかしこいと思っていたか、級友たちの授業の理解度の低さ(教科書に書いてることがなぜ分からない)とか主観的なところもあるが、大人たちがほめてくれたことも大きいと思う。

「せれすたちゃんは、かしこいね」

80%は母親に対するお世辞だけど、そう言われていた。こう言われることもあった。

「やっぱり女の子はかしこいね」

そして、わたしもそう思っていた。

男子はアホで、女子はかしこいと。

それはまあ、小学校においてはひとつの真実だった。そこから中高と経て、大学受験をする頃には、男の子たちの精神年齢が我々に追いつくのと比例して学力が上がっていったけど、それはまあ性差による成長の問題とか脳の構造の問題なので、特にプライドは傷つけられなかった。

しかし、大学に入って、就職活動をするあたりから、周りの言動が怪しくなる。

これまで男女関係なく机を並べて学んできて、同じように教育を受けてきたのに

「女なのにかしこいね」

になる。

今のわたしは(言い方が古いけど)

「女だてらに仕事をしている」

である。あれ、使い方あってるかな。

いつから、女は男の二番煎じみたいな扱いになったのだろう。しかし今やそれはわたしに染みついてしまっていて、男社会にいる女の意見しか言わなくなっている。キモい。

そしてその呪縛は、男にもかかっている。

「男にはプライドがある」

いや、その言葉で女を下げるなよ。お前のプライドのせいで、こっちも地味に傷つけられてるんだよ。男は女より稼がないといけないとか、わたしは全然思ってない(とは言え、無職はちょっと、と思ってしまうあたり、わたしも偏見にとらわれているのだろうけど)のに、変な男の自尊心のせいで、わたしたちの生活がゆがめられる。

そんな呪い、はやく解けばいいのに。

誰も得しないのにな。

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