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「AI版ポートピア」を実際にプレイしてみての感想 レビューは最悪だが……

先日こちらでも記事にした「SQUARE ENIX AI Tech Preview: THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE」(※長いので、以下「AI版ポートピア」と記す)の配信が始まったわけですが、公開後の評判がとにかく悪く、全てのレビューで「非常に不評」が多くついています。

なぜこんなことになってしまっているかと言うと、今回配信されたバージョンでは「自然言語生成 NLG」、つまりこちらが質問したことに対してコンピューター側が判断して自然な文章で答えを返す機能がオミットされているからです(要は未実装ということ)。

このことは当然ストアページには記載があるのですが、「普通こういうとこまでSteamで購入するときに読まないよなぁ」という部分に書かれていたため、当然それを知らずにプレイした人が「は?AIってこの程度なの?」と思ったことと、最新のAIが実験的に実装されたゲームとして考えていた人たちが完全に“肩透かし”をくらってしまったことが、この「非常に不評」という評価に繋がってしまったわけです。

一応公式ストアページには書かれているが…


現時点ではおそらく、「ただ実装するだけ」なら出来たのだと思います。ですがそれをした場合、プレイヤー側が例えば公序良俗に反するようなことを聞いた場合(例えば女性キャラクターに卑猥な質問をするとか)でもコンピューターは答えてしまったのだと思うんですよね。きちんとした答えを返すのが正解だとコンピューターは思ってしまっているので。

そういうことにのみ使われてしまっては困るので、今回はオミットしたのだと思います。こういう「言って良いこと」「言ってはダメなこと」までを制御しようとすると、けっこうなテスト期間と学習させるための時間が必要になります。

公式ページの方でも「環境が整い次第、提供させていただきます」と書かれてありますので、今は焦らずに待ちましょう。


ゲームとしては

僕も実際にこの「AI版ポートピア」をプレイしてみましたが、一応エンディングまでは遊べるようになっていました。そういう意味では、「ポートピア」を未プレイの方であれば、現バージョンであってもそれなりに遊べるものになっていると思います。

ただちょっと大変です。

ファミコン版では「見る」「聞く」「調べる」などのコマンドがあらかじめ用意されているので、それらを選べばいいだけなのですが、「AI版ポートピア」ではそれに該当するような文章を全部自分で打たないといけません。

また、うまく通じないことが多いです。

例えば「聞く 〇〇のこと」と入力しても相棒のヤスは「ボス…?」としか返してくれないところを「〇〇について」と入力すると、きちんとその人物についての情報を話してくれたりします(※場面にも因るみたいです。ちゃんと答えてくれるときもある)。どういう聞き方なら反応してくれるかというのを何度か試してみないといけないんですよね。

(本末転倒ですが)この文章入力がけっこうな手間なので、遊ぶことだけを考えたらファミコン版ポートピアより劣っていると言えなくもないです。AI的なところがもっと楽しめれば意味があったんですがね。


タイトルに「Tech Preview」とあるように、やはり今回は実験的な要素が多いのだと思います。期待したAI部分が未実装だったのは残念ですが、「こういった感じでゲームを進めていくんだ」というところは体験できます。

今のところの評価は良くないですが、興味のある方はぜひ自分自身で触ってみてこの「AI版ポートピア」を評価してみてください。


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