バスの中で見る中年の人

果物の種類より変わりのないもの
同じくらいのものに

命のパーセントとかガソリンの話し声しているし
しかも若人の髪型のバリエーションではない
街の地面から立ち上る“今日”を代表するかおり

齢高ければそれで安心をする
何回かいった建物の前の夜を思い出す
今はまだまだ現実的な昼間で
これから言葉はかつらむきをされて
宙をまわらざるをえん軽さになる
宇宙は遠く
電気毛布にもほどちかいが触れられぬ

わたくし鼻炎が小さな芽となり
ビル街を擦って屈ませれば
どこにも駅前がある

おまえたちはいつも新聞を兜にするために
折り紙教習を幼児期に経て
しかし天体は全部丸と教わって
眉間に動物の毛皮(ファー)で拭いた
炎になりきれなかった
があるのを互い見逃さない

そういえば鳥が高い木の上の
投擲され刺さったかのような果実を啄んでいて
穴の空いたそれらはまったく用済みではなく
死んでもいないらしいことは
ぼんやりと見えてくる一方で
よくもわるくもない運転で連れられる
やさしいのは小川のせせらぎだけなのは
インセル的な厭世観で
僕はそんなことよりクリスマスプレゼントを
待っている

俺は街の中に人より長く建っている祠に目配せした
ぐんと早まる車は
いよいよ助け舟を走らせて

あらゆる看板がVRの中で変身のように爆発する
内裂を思うけど

おつくりを供された
ねじと郵便受けが
液体を使わないで会話をしている
植木と植木の間に原付がとまっている


 ふつうの木から帽子までをつなぐと


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