歩留まり とは? 半導体業界研究のキーワード

半導体製造企業の求人で、「歩留まり改善」といった単語を目にすることがあるのではないでしょうか?
ここでは、半導体製品製造 (例えば半導体メモリーなどをイメージしてください) における歩留まりの意味について解説します。

歩留まりとは

歩留まり (英語ではYield)は、問題のない製品の割合です。出荷して販売できる製品の割合ということもできます。
他には良品率のように言うこともできます。

半導体は1枚のウェハー上で、数百や千個以上のチップを同時に製造します。これらのチップは、製造後に出荷できるかどうかが、検査され、検査を通過した問題のないチップだけが出荷できます。
理論上はウェハーのどの位置のチップを切り出しても製品として出荷できるように生産しますが、実際には全てのチップが問題ないということは、ほとんどありません。
そこで、実際に生産したチップのうち、問題のないチップの割合が重要となります。これが歩留まりです。
歩留まりが高いということは、生産性が高いということができます。また、出荷できるチップの数が増えるため、企業の売上の増加に貢献します。そのため、この歩留まりを、どこまで改善できるか、向上できるかが重要となります。

歩留まりは重要秘密情報

現在の歩留まりが何%かという情報は社外にはほとんど公開されることはありません。
そこで実際の半導体関連のニュース記事なども、「Aメーカーのこの世代の製品の歩留まりは60%と予測される」といった予測などの記事であることが大半です。
企業の技術力をアピールする場合でも、歩留まりが80%を超えたといった正確な値ではなく、ぼかした発表などをすることがあります。
この歩留まりの正確な値が秘密である理由の1つは、その企業の工場が出荷できるチップ数の情報などに繋がるからでしょう。
例えば、同業他社からすると、Aメーカーはこの製品の歩留まりが自社より低いので、この製品の製造に力を入れるとシェアを伸ばすチャンスだ、などのように企業の戦略に大きく影響する可能性があります。場合によっては、自社が競争において不利になってしまう可能性があります。
このような様々な企業の事情から、歩留まりの正確な値は公開されないケースが多いようです。

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参考リンク

https://semiconductor.samsung.com/jp/support/tools-resources/dictionary/semiconductor-glossary-yield/


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