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優秀な子、ギフテッド、クリエイティブな子。

*こちらは私の子育てブログからの転載記事です。

ギフテッドに関する面白い記事にまたまた出会ったので、参考になればいいな、とリストの部分だけ勉強の隙間時間に訳してみました。

オリジナルは Bertie KINGORE, Ph.D が書かれた High Achiever, Gifted Learner, Creative Thinker です。


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世間一般で当然のように思われている『優秀である=ギフテッド』という誤認は、ギフテッドを正しく判定する際の妨げとなります。

(中略)

1989年に発表されたJanice Szabos氏の『賢い子とギフテッドの比較』は、両グループの違いを見極める良き道標となりました。しかし幾つかの点には疑問が残ります。

例えば、ギフテッドはワイルドで突拍子ないアイデアに溢れていると評価されていますが、実際ワイルドかつ突拍子ないアイデアに満ち溢れているのはクリエイティブなマインドを持つ子達で、ギフテッドの子達すべてがクリエイティブなわけではありません。

又、賢い子は単刀直入で順序立った説明を好むとされていますが、これは個人の "能力" というより “学び方の好み” による特徴に思えます。単刀直入で順序立った説明を好むギフテッドもなかにはいるのですから。

ただ、そのようなわかりやすい説明なりプレゼンテーションに対するギフテッドの子達の疑問やリアクションは、賢い子達のリアクションとは明確に違います。

それから、賢い子は同年代と仲間になるが、ギフテッドは大人との交流が好き、という点も疑問です。この “特徴” は『ギフテッドは不均衡過ぎて社会性に欠けている』といったネガティブな認識を世間に与えかねません。ギフテッドは、同じ着想を持つ仲間を求めるのであって、アイデアを分かち合えるのであれば年齢を問わずに友達になれます。

『賢い子とギフテッドの比較』における疑問点や問題点にこたえ、新たに『優秀な子、ギフテッド、クリエイティブな子の比較』が提案されました。

優秀な子、ギフテッド、クリエイティブな子それぞれに(下記のリストに沿った)型通りのタイプの子はひとりもいません。要素は多分に重なります。優秀な子のなかにはクリエイティブなマインドを持つ子もいるし、ギフテッドかつクリエイティブな思考の持ち主もいます。あるいはクリエイティブな子が成績優秀であったり、ギフテッドが成績優秀者である場合もあります。

(中略)

ギフテッドは、年齢が同じ子ではなく、着想 / 発想が同じ子と仲間になりたがります。お互いの発想にピンときたとき、ギフテッドの子達は “仲間意識” を感じます。


優秀な子は答えを覚える。
ギフテッドは予期せぬ質問をする。
クリエイティブな子は例外を見る。

優秀な子は関心を示す。
ギフテッドは好奇心が強い。
クリエイティブな子は不思議に思う。

優秀な子は全体的に気がつく。
ギフテッドは興味のある分野に没頭する。
クリエイティブな子は自分の世界に入り込んでいる(=Daydream)故に目の前の課題のことは忘れているかも。

優秀な子は高度に思考する。
ギフテッドは複雑に、抽象的に思考する。
クリエイティブな子は、次から次へとアイデアを思いつくが、そのほとんどは日の目を見ずに消える。

優秀な子は目的意識を持って努力する。
ギフテッドはとくに努力しなくても理解する。
クリエイティブな子は思考や概念で遊ぶ。

優秀な子は質問に詳細に答える。
ギフテッドは質問自体の意味を掘り下げ、多面的に考える。
クリエイティブな子は新しい可能性を投入する。

優秀な子は学校など集団のトップにいる。
ギフテッドは学校などの集団という枠外にいる。
クリエイティブな子は自分の属する世界にいる。

優秀な子は関心と意見を持って返答する。
ギフテッドは多面的な視点から感じ考えたことを表示する。
クリエイティブな子は突拍子ない、ときとして矛盾した意見をシェアする。

優秀な子は容易に学ぶ。
ギフテッドはすでに知っている。
クリエイティブな子は「もしOOがXXだったら?」と仮定の質問をする。

優秀な子は6~8回繰り返して習得する。
ギフテッドは1~3回繰り返して習得する。
クリエイティブな子は習得の必要性が見出せない。

優秀な子は高いレベルで理解する。
ギフテッドは綿密で複雑な概念を理解する。
クリエイティブな子は(いずれ本人に手つかずなまま放置されるかもしれない)アイデアで溢れ返っている。

優秀な子は同年代とのつきあいを楽しむ。
ギフテッドは知的な交流をより好む。
クリエイティブな子は、クリエイティブな仲間をより好むが、結局ひとりで創作していることが多い。

優秀な子は複雑で抽象的なユーモアを理解する。
ギフテッドは複雑で抽象的なユーモアを創造する。
クリエイティブな子はワイルドで風変わりなユーモアを楽しむ。

優秀な子は意味をつかむ。
ギフテッドは概念と概念を推測して繋げる / 関連づける。
クリエイティブな子はひらめく。「そうか!」

優秀な子は時間内に課題を終わらせる。
ギフテッドはプロジェクトを始め、課題を拡張させる。
クリエイティブな子は更なるプロジェクトを始め、完成させ(られ)ない。

優秀な子は受け入れる。
ギフテッドは強烈である。
クリエイティブな子は独創的で型にはまらない。

優秀な子は正確で、完結している。
ギフテッドは独創的で、常に発展中である。
クリエイティブな子は独創的で、常に発展中である。

優秀な子は大体において学校が好きだ。
ギフテッドは己を導きながら学ぶのが好きだ。
クリエイティブな子は創作が好きだ。

優秀な子は情報 / 知識を吸収する。
ギフテッドは情報 / 知識を巧みに操る。
クリエイティブな子は即興的だ / 即興でやってのける。

優秀な子は専門分野の技術者だ。
ギフテッドは分野の枠を超えて抽象化(物事の共通部分を抽出して把握)する専門家だ。
クリエイティブな子は発明家で発案者だ。

優秀な子は記憶力に長けている。
ギフテッドは推測力、推論力に長けている。
クリエイティブな子は創造力とひらめき力に長けている。

優秀な子は油断なく、観察力が鋭い。
ギフテッドは観察結果を予測し、繋げる。
クリエイティブな子は直感的だ。

優秀な子は(現在の)学びに満足している。
ギフテッドは自己を批評 / 批判する。
クリエイティブな子は可能性の追求をやめない。

優秀な子はAをとる。
ギフテッドにとってはAをとることが必ずしも学びの原動力にはならない。
クリエイティブな子にとってはAをとることが必ずしも学びの原動力にはならない。

優秀な子はできる。
ギフテッドは知的である。
クリエイティブな子は風変わりだ。


Reference
Kingore, B., (2004). High Achiever, Gifted Learner, and Creative Learner. Understanding Our Gifted. Retrieved from
https://www.southlakecarroll.edu/cms/lib/TX02219131/Centricity/Domain/480/GIFTEDLEARNERvsBRIGHTKID.pdf


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