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コミケに匹敵? 70万人超が熱狂するVR空間の「コミケ」と、コミュニケーションの未来

VR(情報現実)空間が急速に進化している。VR上のコミケ「ヴァーチャル・マーケット(Vケット)」は、わずか2年目でのべ70万人超を動員した。日本テレビも報じている。FacebookはVRを次世代のSNSと位置付けた。インターネット社会の、将来的な社会基盤になりうる。

2年目で70万人超を動員

2919年9月21日から28日まで、VR上のコミック・マーケット(コミケ)とも言われる「Vケット」が開かれた。動員数は70万人を超えている。日本テレビの「news zero」も報じた。あたかも現実かと思うような情報量に、キャスターが驚いている。

Vケットの51万人超にのぼる動員数は、現実のコミケに迫っている。コミケとは世界最大の同人誌即売会で、年2回開かれている。2019年夏の3日間で、のべ70万人超を集めている。その歴史は1970年代に遡り、じわじわと人数を伸ばしてきた。近年は50万人台を推移してきた。

コミケ

<情報サイトによるコミケの動員数>

Vケットは2018年8月に始まった。たった3回で70万人を超える動員数を記録している。主催者によると、12.5万人だった第2回は数億円の売り上げがあったという。

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<日本テレビNew zero>

一時の盛り上がりと断じことはできない。Facebookは9月25日、VR空間での新たなSNS「ホライズン」を2020年にも始めると発表した。「将来重要になる社会インフラを構築するための新たなステップだ」とザッカーバーグCEOが述べ、同社が手がける手軽なVR機器「オキュラス・クエスト」の機能拡充に注力する姿勢を見せた。

コミュニケーションの場としてのVR

以前からVRゲームに取り組む企業は多かったが、今後FBのようにコミュニケーション・プラットフォームとして捉えなおす流れは必然と言える。これまでのSNSは2次元を扱うが、人々は普段、3次元での情報処理をしているからだ。

FBの発表会では、離れ離れに暮らしている親子が、VR空間上の自分の家で、一緒にスポーツ観戦を楽しむ映像が流れた。

実際に体験してみると明らかだが、重たいヘッドセットをかぶっていてもなお、VR上への没入感は凄まじい。私の母親にかぶせてみても、「海の中でクジラと泳ぐ」「空を飛びながら、ドイツの街並みを観光する」など、驚きとともに即座にVRの世界で楽しみ始めた。世代や技術知識の差を飛び越えるだけの世界が広がっている。

VR空間のSNS「VRチャット」

Vケット会場に入場するには、VRChatと呼ばれるゲーム(アプリ)が必要になる。VRChatとはVR時代のSNSとでも言うべきものだ。世界中から人が集まって、会話したり遊んだりお見合いしたりしている。

VRChatの人たちは、VRChatの中で生きている。

生きているからこそ、そこでの「自分」であるアバターにおしゃれをしてみる。服を買ったり靴を買ったり。また友だちと集まって麻雀をしてみる。新聞を作って情報交換する。

これらは全て事実だ。VR空間上で生きている人たちがいる以上、経済圏はできてくる。Vケットが始まってたった2年目なのに、コミケに匹敵する人数を集めた理由だ。インターネットに接続できれば、場所や時間の制約がないことも特徴だ。

とにかく一度、VRに触れてみてほしい。体験すれば、わかる。




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