私には、異性の友人が多分他の男性よりも多くいる。

その中の1人である、Mちゃんの話をしよう。

昨日、タイムラインで婚活や結婚などの話が盛り上がっていたので思い出した。

彼女とはもうかれこれ8年来の友人である。

Mちゃんはあまり友達が多いタイプではない。

そんな彼女と仲良くなったのは仲良くしてもらっている新宿のバーで、
マスターも私を紹介しても既婚者、子持ちということ、大学時代からの知り合いでもあるし、
ある程度安心できると思ってもらえているのだと思う。

率直に言えば、当たり障りのないアンパイだ。

舐められたものである。

そんな話はどうでもよくて。

そこで、Mちゃんとは初めて会った。

不思議な魅力のある女性で、儚さと愛嬌を併せ持ち、危なっかしいところもあった。

実際に過去に職場でいじめに遭い、すこし精神的に不安定なところもあったと後から聞いた。

何度かそのバーで会ううちに、仲良くなり、LINEも交換した。

かと言ってお互い普通に友達だと思っていたので、私からすればMちゃんは少し年下の後輩みたいな、Mちゃんからすれば少し年上の共通の知り合いもいない気楽に話せる人。

そんな感じだと思う。

LINEを交換した事で、個別に色んな相談がくるようになった。

「猫と暮らしたいんだけどなかなかペット可のマンションが見つからない」

とかそんなたわいもない話。

また家庭環境もなかなか複雑であった。　

なので、気楽に話せる友達ができたのは、彼女からすると嬉しかったのかもしれない。

別々ではあるが、なぜかMちゃんの母と父とも何度か飲みに行った。

そんなある日、MちゃんからLINEが

「婚活アプリで出会った人と結婚する事になったから会ってほしい」と。

私はただの友達のめでたい話だから、あまり気乗り自体はしなかったが会う事に決めた。

実際、めちゃくちゃ普通の男性だった。

普通とかいてこの男性だと読ませてもいいくらいだ。

1時間ほど話して解散。

結婚して、幸せになるなら良かったと思った。

それから2,3ヶ月が経ったころ、LINEが。

「離婚することになりました。」

はやっ！と思ったがそんな事は言えず、
積もる話があるという事で話を気が済むまで聞いた。

要約すると、なんとなく結婚したけど自分に結婚生活、他人と生活するのは向いていないと。

「まぁ気づけたからよかったじゃないか」

そんな感じで解散。

それから1ヶ月後くらいにまたLINEが。

Mちゃんだ。

M「結婚することになりました」

私「おー、よかったやん。おめでとう。どんな人？」

M「まだ出会って5日目。イギリス人。年齢は50くらい。なんかイギリスと日本とパリで会社経営してて。娘さんもいる」

私「すごいやん。よくそんな人見つけたね。今度は他人2人と共同生活やけど大丈夫？」

M「大丈夫！娘さんも可愛いし、憧れのパリかロンドンで暮らせるからすごい楽しみ！」

私「いつくらいに海外いくの？当分の間会えないし最後に飲みにでもいこうか。」

M「近いうちに籍を入れて、半年後にはいく！」

色々と思うことはあったが、ツッコミすぎて嫌な思いをさせるのは可哀想だと思ったのでそれ以上は何も言わず。

最後に少し飲みに行き、

それから音沙汰なく、わざわざこちらから連絡するのも野暮だと思っていた。

連絡がないのは幸せということと思っていた。

つい先日、いつものように新宿のバーに入ると見覚えのある姿が。

Mちゃんだ。

私「久しぶり！帰ってきてるなら連絡してよ、みずくはいな！海外はどう？」

M「まだいってないの。なんか向こうの会社の経営がうまくいってないみたいで。」

この外国人との結婚の話を聞いてからちょうど3年が経とうとしている。

現実はいつでも残酷だ。

終