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日本女子大学創立記念式にて隈研吾先生の講演拝聴

1901年の4月20日は日本女子大学校(当時)が創立した日ということで、今年、123周年の創立記念式典が開催され、豊明幼稚園からトコロテンで大学、そして助手から教授で定年を迎えるまで、67年間、日本女子大に関係していた母の付き添いとして参加してきました。

会場は成瀬記念講堂という、1906年に建てられた建物。奥に見える「信念徹底」、「自発創生」、「共同奉仕」は建学の精神で、小さい時に母から伝えられて覚えていました。創立120周年の折に寄付キャンペーンが為され、椅子のそれぞれに寄付者の銘板がありました。

2期目となった篠原聡子学長のご挨拶の中には、大学創立者の成瀬仁蔵先生が当初より国際化について深く考えていたことが含まれていました。

篠原先生のご専門は建築デザイン。修学の時代は「家政学部住居学科」で、今でも日本女子大の学制の組織図では「家政学部」が筆頭です。

大学の最近の改革等については、副学長の宮崎あかね先生からお話がありました。私立の女子大学として急激に時代に合わせた改革を推進されている様子が伺われました。

母は家政学部の中にあった生物学科と化学科を「理学部」に改組し、さらに大学院を設置することに当時、奔走していましたが、2022年に改組されて「化学生命科学部」という名称になったことを知りました。

さて、その後、篠原学長の夫である隈研吾先生による特別講演となりました。今年度より「建築デザイン学部」に改組され、隈先生は特別招聘教授としても関わるとのこと。講演タイトルは「集中から分散へ」というものでした。

中学生の頃に「建築デザインをしたい!」と思っていた私にとって、建築家はずっと憧れの対象です。隈先生の『負ける建築』(岩波書店)はインパクトがありました。この本に書かれていたのか定かではないのですが、「建築は究極の〈欲〉」という言葉に、なるほど、フランスでは首相の名前を冠した建造物が多々あるのは、そういう欲の表現型なのだと納得したことを覚えています。

妹島和世氏も日本女子大学の同窓生

最初に見せられたスライドは、ニューヨークのエンパイアステートビル。20世紀は「集中」の時代であり、天に向かって垂直に伸びる建物はその象徴であったとのこと。

それに対して、21世紀はサステナブルを意識して、いかに「分散」的な思考を取り入れるのかが鍵となる、という考えのもと、国立競技場のデザインなどに苦慮したのかなどが話されました。観客席の椅子の色が一色ではないという話も、すでに伺っていましたが、「集中=画一化」とは異なる「多様性」を意識したものであるというコンセプトに納得しました。馬頭広重美術館では、里山や神社との位置関係なども含めて、コミュニティを意識した設計となっているとのこと。

2002年に中国に作られた「竹屋 Great (Bamboo) Wall」という建物は、北京オリンピックの開会式の映像に使われたとのこと。

竹屋の説明をされる隈研吾先生

浅草の文化観光センターは、建築基準法が変わって木造でも3階以上の建物が建てられるようになったことも合わせてデザインされたユニークなもの。いちど見に行かねばと思いました。

目白通りを挟んだ向かい側にお洒落な建物があると思ったら、妹島和世氏のデザインによる図書館とのこと! 創立120周年を記念してキャンパスデザインに妹島氏が深く関わっているということは羨ましいです。

この日の午後にはホームカミングデーが開催され、同窓会組織である桜楓階理事長の高野春代先生がタイムリーな「源氏物語」についての講演をされたようです。

大河ドラマの大石静氏も日本女子大学卒業生! 高野先生とも懇意とのことで、私自身は同窓ではないのですが、さらに久々に追いかけている大河ドラマに親近感が増しました。

お陰様で、母も元気です。

目白通りの正門前にて母とツーショット

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