近頃男女問わず歌の生徒さんたちが歌いたがる楽曲がtuki.の『晩餐歌』。初めて彼女の歌声を聴いた時、とても大人びていて15歳の歌声とは思えませんでした。しかもシンガーソングライター。自分で曲を作っているというから驚きです。

宇多田ヒカルの時の驚きとはまたひと味違った感覚もありますが、こういう才能が次々と現れてくる背景にはやっぱり動画投稿が身近になったということが大きいですよね。

彼女もTikTokに弾き語りカバーを投稿してきて、オリジナル曲としてはこの『晩餐歌』が最初の曲みたいです。初めてにしてこの歌詞とメロディーのクオリティーの高さとは、正直その才能がうらやまし過ぎます(笑)。誰にでも”初めて”があるわけで、その”初めて”がこんなレベルとは末恐ろしい才能が世に出てきたなーと感じています。

声質がまず非常に素晴らしいです。どこか切なくて寂しげで”はかなげな”感じもあるのに、力強くて説得力のある歌声。歌い回しも、どういう音楽を聴いて育ってきたのか聞いてみたくなるほど、さりげなくたくさんのテクニックを駆使して歌っています。ファルセットの使い方も上手いです。ブレスも効果的に使っています。

歌詞は独特の世界観に溢れていて、既に”自分ワールド”を確立できているような気がします。

若干15歳が想像で書いたのか？もしや実体験なのか？は分かりませんが〈君を泣かすから〉からスタートして、こんなこと言いながら〈君以外会いたくないんだよね　なんて勝手だね〉ときて、サビのフレーズがもう無敵です。

これが〈何百回の夜を過ごしたって〉〈何千回の夜を過ごしたって〉〈何万回の夜を過ごしたって〉とラスサビに向けてどんどんその想いが加速していきます。いやー、お見事です！〈最高のフルコースを頂戴〉このフレーズはもう何というか、愛の最高潮をこう表現するのか…という感じです。

韻を踏むとかそういう類いのことはすでに突破していて、こうして言葉を連ねてたたみかけていくという歌詞の作り方には脱帽でした。

『一輪花』『サクラキミワタシ』とシングルが立て続けに配信されています。こちらもオススメします。こうなるとフル・アルバムが早く聴きたくなりますね。

女性のソロ・ヴォーカリストで久しぶりに心からいいなーと感じたtuki.。無限大の伸びしろしかない彼女のこれからに期待大です♪