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栴檀のチャンス到来。ANA機内食に抜擢。

いつもお読みいただきありがとうございます。

今日はいつも皆さんに”何で?”と聞かれるこのお話を。

少し前の今頃のお話し。
全日空グループ(以下、ANA)さんから機内食の話しが舞い込んできました。

ANAの担当者の方が東京からいらして、いただいたお話に驚きを隠せませんでした。

全日空グループが2018年12月〜2019年5月に機内や空港サービスで中四国特集をするのに合わせて国内便の5時以降のプレミアム便の全ての便にお出しするお弁当の監修をしてもらえないかと言うお話をいただきました。

“ANA国内プレミアム便お弁当の監修“

栴檀にとっても私にとっても料理長にとっても初めてのこと。知らないことが沢山あります。

せっかちな私は、話を聞きながら”1日にいくつ作る?”とか”どこで何時までに?”とか頭の中がグルグル。

よく聞いてみると、”監修”とはレシピ作りと出来上がったものの最終チェックが大切な仕事らしいということ。

ドキドキが止まりませんでした。
私の目はきっと挑戦に向けてメラメラと燃えながら輝いていたと思います。

この話に「挑戦する」ということは聞いた瞬間から決まっていました。最大のチャンスだと感じていましたので。

私の生まれ育った愛する街"松山らしい"
そして"栴檀らしい"を表現させていただけるチャンスだと。

監修させていただくと決め、いざスタートしても私の心内は
「こんな田舎の小さな店に白羽の矢が立つなんて考えられない。」
幾度となくテレビ番組のドッキリじゃないかと思ったぐらいでした。

栴檀らしさを空で味わっていただくには

栴檀の料理=「季」を感じる料理

これは外せないテーマです。
そう“栴檀、五つのき“の一つです。

そこに“松山らしさ“と地産地消にこだわる愛媛の素材。

小さなお弁当箱に“いつもの栴檀の料理“を入れ込むにはどうすればいいかを料理長と考えました。母も亡くなっていたので、料理長と二人三脚、栴檀の仲間も巻き込み試食や相談をしながら考えては作っての繰り返し。

空の上でも一つのお弁当で懐石料理のコースを楽しんでいただきたい。

"先付けから甘味までをすべてを入れる"

これは栴檀の料理に対するこだわりで欠かせない部分。

愛媛の四季の旬を、愛媛のおいしいものを、松山の郷土を感じていただきたい。

そんな思いを込めながら、
松山ずし、鯛のさんしょう焼き、じゃこ天と詰め込んでいきました。

甘味には栴檀特製の“白檀“もいれました。愛媛の地酒の酒粕で作ったお菓子です。

後でわかったことであるが、甘味を入れたのは栴檀が始めてだったそうです。

お弁当の内容が決まるとそこからは監修の仕事。
何度も東京から担当の方が試作品を持って来られて検品し、やり直しをしてもらうことの繰り返しの日々。

料理長の写真取りも東京からカメラマンが来られていろいろと事が進んでいきました。
契約書も交わしました。しかし私は、それでも心のどこかで“ANAの機内食に栴檀のお弁当“という話が信じられませんでした。

誰にも口外してはならないと言うことで私達はいつものように毎日の仕事をこなして、破談にならないようにより一層食中毒や感染予防に気をつけました。

まだその時はコロナは発生してなかったので、O157やインフルエンザに注意する日々。
従業員さんにも浮きたたないように話しをしながら自分自身にも言い聞かせる日々。

知人の代理店の計らいで2019年2月18日にプレス発表を行いました。


栴檀のお弁当がANA国内線プレミアムクラスの機内食に。
たくさんの方々から取材を受け、夕方のニュースなどでも発信されました。

当時の新聞記事はこちらです。


3月になり実際に機内食の提供が始まってからは、たくさんの方々から召し上がった感想や縁が遠くなっていた懐かしい方からお電話をいただいたり今までにない嬉しい経験をしました。

良かったとも言われたが、中には自分のことと捉え“嬉しい“と言ってくださった方が多かったです。この嬉しいの言葉には感動しました。

どうして栴檀を選んでくださったのかは今でもわからないんですが、お客様の声が選考された方に伝わったことは確かでございます。

ちなみに事前に内緒で食事に現地捜査はしたそうです。いつ?あの時かな?と振り返りなんだかドキドキします。

私も2回飛行機に乗り、料理長と一緒に機内食を食べさせていただきました。


他にも何人かいらっしゃっいましたが、お一人お一人にご挨拶したい気持ちになりました。
有難いこの経験に私は正座してご馳走になりました。

3ヶ月間監修させていただきました。何回か乗られることもありますので栴檀では3パターンの献立を用意しておりました。この日は松山鮨。


翼の王国より

作ってるところの見学もさせていただきました。


機内食の監修を通していろいろな勉強をさせていただきました。

「父母が生きてたら喜んだのになぁ」とこの仕事が無事に終わった感想でした。

栴檀、空を飛ぶ。

この時の挑戦のキッカケになったお客様の声。

日々の仕事で精一杯お客様へ対して「栴檀」を表現し、また新たな高みを目指して挑戦し続けたいと思います。

少し長い文になってしまいましたが、本日もお読みいただきありがとうございました。

来週は何をしたためよう…。
こんな話を知りたい!などございましたらコメントいただけましたら嬉しいです。



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