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「さてさて」その次は?

久々にメルカリで売り上げがあり、
最寄りの郵便局で発送した。

そして、その近くの喫茶店でモーニングすることにした。
さっそく売り上げ金をほぼ使ってしまうタイプ。

「ジャムトーストのモーニングください」

「はい。ジャムですとバターは塗りませんがよろしいですか?」

いや、それはダメでしょ。

「バター塗ってほしいんですけど」

「有料ですがよろしいですか」

「はい・・・・・・」

私はトーストにチーズ以外のものをトッピングするときは
絶対にバターを塗りたい。
しかも、端っこの端っこまで溶けたバターが揺れるくらいに。

まあ今回は売り上げ金もあることだし、有料も致し方あるまい。
せっかく外でコーヒー飲めるんだから満足したかった。


喫茶店のトーストって、なんであんなに美味しいんでしょうか。
分厚いの最高。

すっかり食べ終わって本を読み始めたころ、
70歳くらいでハンチングをかぶった男性が
私の横を通り過ぎて、奥のカウンターに座った。

そして

「さてさて」

と、まあまあの声量で言った。

「さてさて」って、めちゃくちゃ懐かしい気持ちになる。
現在、私の周りで使う人はいないけど、
学生の頃におじいちゃん先生あたりが教科書をめくりながら言っていた。

アクセントは「てさて」。最初のさ。

年齢によって使う言葉は違うんだろうな。
そういえば、私は子供を産んでから
母の話し方にそっくりになったと夫に言われた。
それまで私は、母のイントネーションほどなまっていなかった。
と思う。

子供に対する話し方が似ているらしく、
どうやら私は自分が子供の頃に聞いた母の言葉を
思い出しているのかもしれないと、ぼんやり考えていた。

そのうちに、おじさんがまた
「さてさて」
と、まあまあの声量でつぶやいた。

ちょっと気になってしまって、
何を始めるんだろうと横目でチラリと見た。

おじさんはスポーツ新聞をめくって

木下優樹菜 引退

のニュースを読み込んでいた。

なるほど。

さてさて、私も家に帰りますか
と思った。

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