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噛ませ犬ごはん

 おいらは嚙ませ犬、しかも十五年のベテランだ。
「ほらよ、今日も頑張ったな。おかげであの犬もいっちょ前の闘犬になるぜ」
 そんなおいらのごはんは十五年変わらず味噌汁ご飯だ、栄養のある肉とかは全部闘犬になるためのごはんになるからな。でもいいんだ、おいらみたいな奴がいて立派な闘犬ができるなら嚙ませ犬も誇り高いってもんだ。

 今日の嚙ませ犬の役目は弱っちい闘犬にやられて自信をつけさせることだ、もちろん反撃なんかしない。おいらをコテンパンにやっつけて今日の犬もちょっと自信がわいたみたいだ、良かった。その夜のこと
「嚙ませ犬も、もう限界だろう。新しい嚙ませ犬が来たら処分しちまおう」

 次の日の夜、いつもの通り味噌汁ご飯を食って寝ている俺の前に闘犬たちが肉を次々とおいていった。啞然としたおいらにボス犬が
「お疲れさんでした」
 おいらは泣きながら食った、貪り食った。肉ってこんなに美味かったんだな、おいらの嚙ませ犬人生悪くなかったぜ。


終わり





 私が思いついた嚙ませ犬はこんな感じでした。他の人の嚙ませ犬が楽しみです。

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