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肥前狛犬ではなく豊前狛犬 その壱

世間的には狛犬の中でも別格の輝きを放っているのは肥前狛犬という佐賀県や長崎県(旧肥前国)を中心に分布する丸っこくて素朴な一群です。肥前狛犬の愛好家も多く、盗難事件も多く起きているほどです。

ただ、旧豊前国(今の福岡県北九州市の東側から京築、大分県中津市・宇佐市あたりまで)にも特徴ある素朴な狛犬は存在しており、あまり注目されていませんが実は豊かな世界を造りあげています。豊前国南部の国東半島は石造仁王像や磨崖仏など独特な石の文化が存在しているのです。それらを踏まえ、豊前狛犬を紹介していこうと思います。

福岡県にはその他筑後地方の「楼門狛犬」というこれまた独特な狛犬の一群がありますがそれには別稿で触れます。

まずは豊前狛犬と比較対象となる肥前狛犬を幾つか紹介したいと思います。盗難防止のため、具体的な神社名は伏せます。

素朴な造りでユーモラスな顔が特徴
妖怪タイプ
直線的なシルエットのものも
なかなか迫力あるタイプ
肥前狛犬の群れ
こちらは肥前狛犬タワー

豊前狛犬は主に本殿脇に無造作に置いてあり、小振りのものがほとんどでその形状はスタンダードな狛犬を小さくしたものから極度に抽象化されたものまで様々です。その中で今回は究極まで抽象性を高めた豊前狛犬を紹介して本稿を締めくくりたいと思います。地元の人しか知らないような小さな神社にあり、盗難防止のためチェーンで固定されています。

阿形
吽形

次回から様々な豊前狛犬をテンポよく紹介していきます。

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