shun@学びのイノベーション

小学校教員/主に読書記録(アウトプット)として使ってみます。

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最近の記事

次代の教育のあり方を模索しよう

 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実という大言壮語が教育界を席巻している。教員であれば、もはや誰もが耳にしている言葉だ。  本書はこれからの教育のあり方について、幼児教育、海外教育、協同学習、フレネ教育、個別化・個性化教育などさまざまな視点から捉えられている。  先日、NHKで「学校のミライ」という番組が放映された。現在、日本では不登校児童・生徒が30万人にも上り、これまで揺るぎない基盤を築いてきた学校教育がイノベーションの必要性を問われている。これだけ時代

    • 圧倒的に突き抜ける

      『汗かけ 恥かけ 文を書け』渡辺道治著 Twitterをはじめとして、全国に名を知られている渡辺さんの著書。他の著書もいくつか拝読したが、この本には渡辺さん自身の教師としての原体験やどのような若かりし頃を過ごしてきたかなどが詳しく書かれている。 この本を読むと、いささか絶望してしまう。自分はまだまだだったのだと。 私自身、これまでの教師人生を振り返るとよく勉強してきたほうだと思っている。教師になって読んで積み重ねた本1000冊は軽く超えているし、勉強会やセミナーにもたく

      • 対話指導と振り返り指導で授業を変えよう

        『改訂版 真正の深い学びへの誘い-対話指導と振り返り指導から始める授業づくり-』(小林和雄) 「真正」という言葉を最近よく耳にするようになった。教育書の中で好んで使われているように思われる。真正とは一言で言うと「本物」である。「真正の学び」は「本物の学び」。では、本物の学びとはどういった学びを指すのだろうか? 本書では、「真正の学び」を以下のように定義している。 さらに、「真正の深い学び」を学級のすべての学習者に実現するためには、教材研究、発問研究に加えて、学級のすべて

        • 主体的に学習に取り組む態度と非認知能力

          不透明で不確実な時代(VUCA時代)に突入している現代。これからますますその流れは急激に進んでいく事だろう。もはやテストでいい点を取ればいい時代は終わりを告げている。これからの時代に必要とされるのは、偏差値やIQなど目に見える認知能力(目に見える学力)ではなく、粘り強く頑張る力、やり抜く力や学習志向性など目に見えない「非認知能力」(目に見えない学力)であるとよく耳にする。その注目度もますます高まり、関連書籍も多く出版されている。  学習指導要領の3つの資質能力で考えた場合、

        次代の教育のあり方を模索しよう

          どう捉える?形成的評価

          『ピア・フィードバック』(スター・サックシュタイン)『一人ひとりを生かす評価』「C.A.トムリンソン)『学習に何が最も効果的か』(ジョン・ハッティ)の比べ読みを通して、形成的評価の重要性についてまとめました。  日本の教育では、これまで主に総括的評価が重要視されている。それは、学期末において通知表で評価や評定をする必要があることに大きく関連している。どちらかと言えば、評価しなければならないから、評価しているといったニュアンスが強い(もちろん全ての教師がそうなのではなく、これ

          どう捉える?形成的評価

          学習観の転換〜学びを子どものものに

          『超具体ー自由進度学習はじめの一歩ー』(難波駿) 今年行っているブッククラブ仲間である難波さんの初単著。 私は、常々これからの時代は教師がどう教えるかではなく、「子どもの学びを教師がどう支えるか」という学習観の転換が必要であると考えている。 本著における難波さんの6年に渡る実践は、まさにそのことを体現しようとしたものである。 自由進度学習は、愛知県の緒川小学校などで取り組まれていたものであるが、個別最適な学びや令和の日本型教育などが叫ばれてから最近また注目を浴びるよう

          学習観の転換〜学びを子どものものに

          答えよりも問いを見つけること

          『たった一つを変えるだけ』(ダン・ロススタイン、ルース・サンタナ、吉田新一郎訳) 本書は ①すべての生徒は、自分で質問が作れるようになる方法を学ぶべきであること ②すべての教師は、生徒の質問づくりを授業の一貫として教えられるようにすること の2点を目的に書かれている。 よく授業では、教師がどのような発問をするかよって、授業の方向性そのものが決まってしまうため、発問研究が重要でえるとされる。しかし、本書はでは、教師は質問をしないとしている。その代わりに、子ども自身が素材

          答えよりも問いを見つけること

          子どもを鍛えることにおもねる必要なし

          『学び合う教室文化をすべての教室に』(古屋和久)の投稿で、二瓶弘行氏の名前を挙げた。同氏は、私のメンターであり、こうなりたいと強く憧れを抱いた人物の1人である。筑波大学附属小学校で長い間国語教師として教壇に立ち、現在は大学教授としてご活躍されている。 二瓶氏の授業はこれまで10回以上は参観しているが、全ての授業で子どもが全員挙手をして、豊かに語り合っている。一年生、六年生関係がない。その姿はまさに圧巻である。 そんな二瓶氏だが、もちろん年度当初からそんな子どもたちなのでは

          子どもを鍛えることにおもねる必要なし

          主体的に取り組む態度をどう評価しますか?

          『ヤマ場をおさえる学習評価ー深い学びを促す指導と評価の一体化入門ー』(石井英真、鈴木秀幸) 新学習指導要領における学習評価のあり方について示唆に富んだ本著。ここでは「主体的に学習に取り組む態度」について書いてみたいと思う。 成績の時期ですね。 三観点のうち、個人的に最も難しいと感じているのが、「主体的に学習に取り組む態度」(以下、主態)である。 みなさんは、どうですか? 「挙手の回数やノートを取っているかなど、性格や行動の傾向が一時的に表出された場面を捉えるべきでない

          主体的に取り組む態度をどう評価しますか?

          『「学び合う教室文化」をすべての教室に』古屋和久

          協同的な学びの創造を目指した本著。 協同的を目指すために、子どもの「言葉づくり」を徹底的に鍛えているなぁとの印象。 「言葉づくり」とは、著者の造語であり、学級の子どもたちにも浸透している。著者は、聴くことの目的を「自身の内に言葉をつくること」としている。 つまり、聴くことを ①相手が伝えたいことを自分の言葉で伝えることができる。 ②相手がどこでそう考えたのか、根拠を探ることができる。 ③聴いた内容について、感想や考えたこと、疑問などを自分の言葉にすることができる。と定義して

          『「学び合う教室文化」をすべての教室に』古屋和久