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白壁の城 / 白壁の姫君

友人と制作している、絵とお話の企画のために描き下ろした作品たちです。
(お話の本編は下記リンクからご覧いただけます!)




《白壁の城》
アクリルガッシュ・透明水彩・色鉛筆/2023年

「白壁のお城ね」
「そう!永遠に溶けない白い角砂糖の煉瓦でできた甘い甘いお城!」

「白壁の城」文:こすた

挿絵を考えるにあたって、描きたいと感じたケーキと角砂糖のお城のどちらをメインに描くかということで悩みましたが、「白璧の城」という題名の意味するところはそのどちらでもあると考えたこともあり、二つとも描いてみました。ケーキの上に、幻の角砂糖のお城が視える…というイメージです。

お話を読んだときに、ケーキを作るお姉さんとそれを見ているキャロルの振る舞いに、年齢の差がよく現れていると思いましたので、挿絵ではクリームを絞る手とイチゴを乗せる手(もしくは、つまみ食いをしようとしている?)とで、その対比を表わすことができていればいいなと感じています。

作品に描かれているケーキは、フランスの伝統菓子である苺のケーキ・フレジェをアレンジしたものです。フレジェはフランスでは春の訪れを感じさせるケーキであるとも知りましたので、キャロルは春生まれの女の子なのかな?と勝手に想像し、食用花として用いることのできるバラ・パンジー・ペンタスを描きました。

《白壁の姫君》
アクリルガッシュ・透明水彩・色鉛筆・ミリペン/2023年

白壁の城の主は夢見る顔でケーキを見つめている。砂糖のような肌に血を巡らせて。

「白壁の城」 文:こすた

ヘッダーの画像は、キャロルが空想の世界で角砂糖の城のお姫様になっている様子です。マジパンのリボンに、生クリームのフリルのドレスに身を包んでいます。デザインも、幼い少女の想像のドレスであることを考え、シンプルな装飾にしてみました。