歌舞伎町の区役所通りは、夜間、タクシーの往来が多いんですが、それらのタクシーが大久保方面に向かう際、抜け道としてよく利用する道があります。『すしざんまい東新宿店』の横の路地です。

　この路地、車のサイドミラーが電柱や建物をこすっちゃうようなことが頻発してそうに思うほど、道の幅が狭いんですが、以前、タクシーの運転手からこんな評判を聞きました。

「ここ、当たり屋が出るんですよ」

　車が徐行で走っているところに、アヤシイ通行人がケガをしない程度にわざとぶつかってきて、大げさに痛がり、金をせびる――。というトラブル話をよく耳にするんだとか。

　で、その出没の背景には、

「大久保というエリアの、決してお上品ではない地域性があるんでしょう」

　とのことでした。

　さて、この11月中旬、わたくし仙頭、お恥ずかしながら自転車事故を起こしてしまいました。

　場所は、新大久保の駅前です。

　車道から、人が多い脇道へ入ろうとしたその刹那、一人のおっさんが不自然に近寄って来て、ちょこんとぶつかり、そして大騒ぎをし始めたんです。状況は予断を許さない展開へと進みました。

　今回は、みなさんにも気をつけてもらいたいという意味で、新大久保でのその自転車事故体験談を書きます。また、そのトラブル後、新大久保の駅前の知り合いの客引きのおばちゃんとしゃべった際に、おばちゃんから言われた「ここ、同じようなことがしょっちゅう起こってるよ」という注意喚起も紹介します。