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【EN】ホロリスニング攻略【IDも】

こんにちは。すにゅんと申します。

皆さん、ホロリスニング楽しんでいますか?

ながら聴きしながら聞き流している人もいれば、リスニング教材としてシャドーイングに使っている人もいるかと思います。

私も毎日コツコツ聞いて、先日ようやく最後まで聞き終えました。

ドラマの出来やホロメンの皆の演技もいいので良書だと思うのですが、帯の「みこでもわかるにぇ!」という煽りにつられて買った人の中には、「あれ、意外と聞き取れん…」と思われた方もいるんじゃないかと思います。

私もその1人で、初心者向けだろうと高を括って雑に聞いていたらさっぱり分からず、台本を見てようやく内容を理解するも、台本から目を離すとやっぱり聞き取れない…といった感じで苦戦しました。

英文自体は簡単なののにどうして聞き取れないのだろう?と思い色々考えたのですが、どうやら英語の発音には色々な「お約束」があり、それを知っていないと単純な文でも聞き取れないことがあるようです。

というわけで、当記事ではchapter1を例にそういった英語の発音の癖(特徴)について語っていきたいと思います。

これを読んだ後で少しでも皆さんの英語の聞き取りが楽になり、ホロリスニングへの攻略になれば幸いです。

それでは見ていきましょう。



1. I'm, it'sは限りなく弱い


G:Man, I'm so hungry!(GはGura)

I: it's too exhausting to rehearse~


この二文を聞くと、最初のI'm, it'sが限りなく弱く発音されていることが分かると思います。(アイムではなくアム、イッツではなくイスのように聞こえます)


実際、語頭の代名詞+be動詞の発音は弱くなりがちで、さらっと発音するために聞き逃してしまうことがまあまああります。何故ネイティブはI'mをしっかりアイムと発音しないのか。答えは単純です。文頭のパターンはそう多くないからです。アムだけでI'mだなと推測できるからです。


ここでは弱い文頭にくる代名詞の(短縮形の)例としてI'mとit's を取り上げましたが、you're, he's の時も大概弱いです。というか代名詞の発音は弱いことが多いです。


なので、ちゃんと聞き取るというよりは最初の音から推測してしまうのがいいかと思います。

↓こんな感じで

文頭がア→I イ→He シ→She ダ→That デ→They, There ド→Those ヒ→He ユ→You ウィ→We



2. thの発音に注意


日本語にない発音のthが苦手な人は多いと思います。

我々が発音できるかは置いておいて、実際この音をどう出すかを改めて考えることでリスニングに活かせるかもしれません。


thの発音は濁る/ð/ と濁らない /θ/の2つで、舌の上から歯の隙間に空気が出ることで音が出ています。(濁るか濁らないかは喉仏が震えるかどうかなので、口の形は変わらず同じです。)

具体的には、舌を下前歯の裏側に軽く付け、舌をUの時にする感じで上顎に舌の左右端を付け、口を小さく開いてスッスッと息を吐くとこの音が出ます。(よく学校教育で舌をちょっと噛むなどと教わりますが、舌の前側を噛んではいけません。息を吐けないからです。舌の前ではなく、舌の左右の端を奥歯で軽く噛むのはありです。)


さて、このような訳の分からない複雑な発音のthですが、ネイティブにとっても、/ð/ と /θ/ は必ずしも毎回丁寧に発音されるわけではないようです。


I: it's too exhausting to rehearse for five hours without a break.

I: if someone buys that I've cream, you should never ask them for a peace.

G:Did you read that on the internet or something?


一文目よりwithout

二文目よりthat, them

三文目よりthatにthの発音が出てきます。


CDを聞くと、これらはウィダウト、ダッ、デム(テム)、ダッのように聞こえると思います。

thというよりは、より [ t ] [ d ]に近い感じに聞こえる気がします。 [ t ] [ d ]というのは破裂音なので、歯の隙間から出る摩擦音のthとは別の音なのですが、なぜこういった類似が起こるのでしょうか。

その理由は、前後の発音に引っ張られるのと、早く発音しようとするからです。

皆さんも、that that that…と早く発音しようとすると、段々丁寧さが失われてdadada…のようになっていくのが分かると思います。

会話の中でも、スピード感を意識するとどうしてもthの音は雑になってしまうのでしょう。


また、三文目のread that の例では、前の単語のreadに引っ張られ、同じ舌の位置でのままthatを発音することで、全体の発音は/ríːd/ /ðˈæt/ではなく/ríːdæt/になってしまいます。

ここではthの発音は失われてそもそもなくなってしまいました。


このように発音を連続させることをリンキングといいます。リンキングは前の子音に後ろの母音ないし子音が影響されることで、発音が連続して聞こえることです。(meet youがミートユーではなくミーチューになるのもリンキングです)

子音同士のリンキングは基本的に同じ子音(あるいはv↔fのように口の形が同じ子音)が連続するときに起こるのですが、ここではdとthの発音が似ているために子音同士のリンキングが起こり、thがdに乗っ取られてしまったわけですね。


長々とthの話とリンキングの話をしてしまって申し訳ありません。

結局私が言いたかったのは、thはtやdの音のように聞こえがちだということです。


through が trueのように聞こえた時、thoughがdoughのように聞こえた時はこれを思い出してください。(ちなみにdoughはドーナツなどの生地のことです。)



3. 個々人の発音差に注意

ここまで一般論的な発音の話をしてきたので、逆に個々人での発音の違いについても考えたいと思います。

EN1期生は皆個性的な喋り方です。カリオペはエネルギッシュに、キアラはアイドルらしくかわいく、サメちゃんは落ち着いた感じでサラッと、イナはボソっと話しかける感じで、アメリアは独特のテンションで喋ります。発音記号上は同じ発音をしていても、こうした要素は英語の聞き取りに少なからぬ影響を与えてきます。

私はアメ>カリ>キアラ>ぐら>イナの順番に聞き取りやすかったのですが、この感覚は人によってかなり違うのではないでしょうか。私とは逆にアメの英語が一番聞き取りにくいといった言説も見たことがあります。


こういった話で、Amazonの同書のレビューに参考になる文があったので一部引用させていただきます。



…カリオペやキアラはドイツ語圏出身ということもあり大変聞き取りやすいですが、ぐらはアメリカ訛りが顕著ですし、アメリアはかなり早口。
そして何よりイナニスのフニャフニャ喋りの難易度がなかなか高い。「while I was waiting」が「was wein」に聞こえるなど、お行儀の良いリスニング教材ではまず聞けない音変化が多いです


カリオペがドイツ語圏出身かは置いておいて(そうなの?)イナの発音が難しいというところは大いに共感できます。

while I was waiting の箇所ですが、確かに/wάɪl/ /άl/ /wəz/ /wéɪtṭɪŋ/というよりは/wάɪ ά:s wéɪtṭɪŋ/のように聞こえました。

これはリンキングとかそういった発音規則の問題ではなく、単にイナが口を緩めて発音しているからこのように聞こえるのでしょう。

このような発音に慣れるには、英語を勉強するというよりも、各ホロメンに親しんで発音のクセを知っていくしかないでしょう。逆に言えば、ENホロメンへの理解が深まることでリスニングが上達する余地があるということです。要するに、イナの英語を聞いていればイナの英語が聞けるようになるということですね。


ホロリスニングを買う人の最終目標は恐らくENやIDメンバーの配信を英語で理解できるようになることだと思うので、とにかく聞いていれば確実に聞き取りやすくなるというのは嬉しい発見ではないでしょうか。

ちなみにみなさんは誰の英語を聞き取れるようになりたいですか?私はフワモコの英語が聞き取れるようになりたいです。(フワモコモーニング、全然聞き取れん涙)



4. 英語はリズムよく


A:Ta-da! Special drink, a blend of my own original ingredients! Just one glass of this drink will blow away your fatigue.


A: All kinds of stuff that are supposed to be good for your health, collected from deferent ages. It's one of the secret recipes passed down in the house of Watson.


後半でアメの長台詞が2つありますが、ここで注目したいのはそのリズムです。


英語はリズムの言語と言われています。文の中には弱く読む部分と強く読む部分があり、これらの強弱は規則的な間隔で現れます。このようなリズムは強勢拍リズムと呼ばれ、これは日本語にはない特徴です。

どういうことかというと、英語はリズムよく読もうとするという特徴があるということです。


上の長文を具体例として見ていきましょう。

強く読む部分に赤丸で目印をつけました。


いかかでしょうか。

なんとなく赤丸が等間隔で現れているっぽいことと、赤丸になる単語は名詞、形容詞、動詞といった重要な単語に多いことがお分かりいただけたでしょうか。(これらは内容語と呼ばれ、前置詞や冠詞のような機能語より強く発音される傾向があります)


このような英語の特徴は、実は長文を聞き取る際に有効になってくるポイントだったりします。

つまり、強く読まれている部分は重要な部分なので、最低限そこさえ聞き取れればなんとなく全体の意味は把握できるということです。

英語のリズムに親しむことで、重要でない部分は楽に聞いて重要な部分はしっかりと聞くことができるようになり、長文でも楽に聞けるようになるのです。


次の文は、上記の長文から赤丸(強勢)だけを抜き出したものです。


A:Ta-da! Special drink, blend own original ingredients! Just glass drink blow fatigue.


A: All stuff supposed good health, collected deferent ages. One secret recipes passed house Watson.


弱い部分を消したせいで色々とおかしいですが、英語が基本的にSVOの文型を取ることを考えれば、これだけの単語でもある程度文の意味を把握することはできるのではないでしょうか。


英語の音声学に片足を突っ込んでしまいましたが、要するに、強く発音される単語は重要だということです。

英語を発音する際はリズムを意識してみてはいかがでしょうか。
リズムがいい方が楽しく、伝わりやすい英語になるはずです。



おわりに

ここまで長文を読んでいただきありがとうございます。いかがだったでしょうか。ちょっとしたtipsを羅列するだけのつもりだったのが、話がやたらと込み入ってしまってしまい申し訳ありません。

なんか色々コツがあるのだなあという風に思っていただければ幸いです。


なんだか英語リスニングが大層なことなように書いてしまいましたが、実際はこんなこと勉強しなくても、リスニングは聞いていれば上達していくと言われています。

ゴチャゴチャ考えずとも、ネイティブの真似(シャドーイング)をしていれば、こうした規則は自ずと身についていくのでしょう。


ただ、個人的にはこういった発音のルールを知るのは面白いですし、実際にそうしたルールが有効なことを聞き取りながら確かめるのはいいアウトプットになっているような気もします。


問題なのは、世の中の英語教本は大体例文がつまらないことです。(TOEICのリスニングなど、恐ろしく内容がつまらんです)


そういう面では、ホロリスニングはリスニングの練習としてうってつけの教材であるように思えます。

カワイイは正義!


ちゅーわけで、皆さんが英語を通してホロライブをより楽しめることを願って、当記事を〆たいと思います。


おつぺこでした。

↑ホロライブIDの英語事情に興味がある方は!



↑発音について解説しています。分かりやすい!

↑アーニャさんの歌みた聞いて〜〜〜


参考文献
『ホロリスニング』、塗田一帆、一迅社、2023年
『こうすれば英語が聞ける』、中郷安浩・中郷慶、英宝社、2001年

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