「職能別組織」は、企業や組織がその機能または職務に基づいて部門やチームを編成する方法です。
つまり、似た種類の技能や活動を行う人々が同じ部門やチームにまとめられます。
このような編成は、特定の専門知識や技能を持つ従業員の効率的な利用を促進し、組織全体の専門化と効率性を高めることを目的としています。

職能別組織の例としては、以下のような部門が挙げられます。

• 財務部門：会計、財務、予算管理などを担当

• 人事部門：採用、研修、従業員関係、給与管理などを担当

• マーケティング部門：市場調査、広告、プロモーション、顧客サービスなどを担当

• 製造部門：製品の設計、製造、品質管理などを担当

• 研究開発部門：新製品やサービスの開発、技術革新などを担当

職能別組織は明確な専門分野による効率性がメリットですが、異なる部門間の協力が難しくなる、革新が抑制される可能性があるなどのデメリットもあります。
実際の運用では、これらの課題に対応するために、横断的なプロジェクトチームの設置や、異なる部門間でのコミュニケーションと協力を促進する取り組みが重要になります。

職能別組織の具体例

職能別組織の具体例を挙げることで、この概念が実際にどのように機能するかを分かりやすく説明します。

1. 大手自動車メーカー

• 研究開発部門：新しい車のデザインと開発、新技術の研究。

• 生産部門：自動車の製造工程の管理、品質管理。

• 販売部門：自動車の国内外での販売戦略の策定、ディーラー管理。

• マーケティング部門：市場調査、広告キャンペーンの実施、顧客満足度の分析。

• 財務部門：会計処理、資金管理、投資計画の策定。

• 人事部門：採用、研修、従業員の福利厚生、給与計算。

2. IT企業

• ソフトウェア開発部門：新しいソフトウェアやアプリケーションの開発、既存製品のアップデート。

• 技術サポート部門：顧客からの問い合わせ対応、技術的なサポート。

• マーケティング部門：製品のプロモーション戦略、オンラインマーケティング、イベントの企画。

• 財務部門：会計、予算策定、財務分析。

• 人事部門：新規採用、社員研修プログラムの実施、組織文化の強化。

3. 教育機関

• 学術部門：カリキュラムの開発、教材の選定、教員の配置。

• 学生サービス部門：入学手続きのサポート、キャリア支援サービス、相談窓口の設置。

• 施設管理部門：校舎や施設の管理、安全対策の実施、修繕作業。

• 財務部門：予算管理、奨学金や財政支援の管理。

• 広報部門：大学のイメージ戦略、メディア関係者とのコミュニケーション。

職能別組織には各部門が専門性を持ち、その専門性に基づいて具体的な業務を遂行します。
このような組織では、各部門が独立して機能し、組織全体の目標達成に向けて協力する必要があります。