【擬人化】モンスターハンター/腕試し

私の技量を見極めたいと彼女は言った。そして、それは必要なことだと感じた。
辛い過去を背負うからこそ、それを知ることで一緒に悩める。
そう思っても、やっぱり心苦しくなってしまう。
いや、それが望む戦いならハンターとして受けて立たなきゃ。
覚悟を決めて、合図の閃光玉を投げる。
「さぁ、来い!」
思い切り声を出す。そうでもしないと、ずっと悩み続けることになりそうだから。彼女は、全力を出して私と対峙して欲しい、と言っていたから。

咆哮が聞こえてきた。思わず立ち止まって耳を塞ぐほどの。
澄んだ声だなとか、考えている暇はない。
早速お馴染みのクラッチクローで頭部にしがみつく。彼女の息使いもわかるほどの密接から「ごめん!」拾った石ころを全弾発射。モンスターを吹き飛ばして自然の壁にぶつけ、転倒させ隙を作る私を含めた新大陸ハンターの右腕、クラッチクロー。
ぶっ飛ばした時に一気に遠ざかり、壁にぶつかって転倒。成功だ。
さっきまで話をしていた相手、タマミツネは海竜種に属する。しなやかな連撃と巧みな戦闘を展開するモンスター。
文献で見たよりも少しヒレが小さく、色合いが薄い気がする。「狩りに行くのは一族の男性だけ」は、彼女のように例外もある。
背中の太刀を抜刀と同時に上段斬り、繰り返し、切り下がり。起き上がったところで一度納刀し、様子を見る。
戦ったことのないモンスターに挑むときは、慎重に動きを見てある程度慣れてから。傷ついたイャンガルルガに初めて挑み大火傷と骨折を味わって身に染みた。
だから、慣れない海竜はなおさら。
商人の護衛時に、チャナガブルという海竜と遭遇し、撃退できたけど、今回はまるで違う。
気を締めてかかれ、総司令が一大作戦の前に言っていたのを思い出した。
相手の攻撃の後隙に、こっちの攻撃を叩きこむ。柄に手を置くと共に強く握りしめ、全身を熱く滾らせて一層気合を入れて連撃を放つ。気刃斬り、切り返し、同じ要領で左右に斬り、振り上げて一撃、全身と腕を燃やす勢いで気刃大回転斬りを当てるともっと力がみなぎってきた感じがする。太刀の気刃大回転斬りを命中させると、刀身が白、黄色、赤とほんのり光り、切れ味と攻撃力が増すんだとか。
確かにずしんと攻撃の手ごたえが増した気がするが、狩猟中にはそちらに気を回していられない。

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