【擬人化】モンスターハンター/悔い掲げる再起

私の母は、怒れる邪龍に一族を守るために立ち向かった。帰ってくることは無かった。
私は今、共存を謳う心優しい少年を信じて共に暮らしている。

一人っ子だった私の遊び相手になってくれたあの人。
強くて勇敢な頼れるお兄さんみたいな人、
だった。
あの人は言った。「せっかく人間の姿と声、心を手に入れたのだから、彼らと分かり合えるかもしれない」と。
そう明るいことを言っていた。
でも、ある日を境に、人間との交流を図った彼は一切を失い何事も上の空といった顔をしていた。

私は、彼の精神を守れなかった。
そんな状態になってしまうまでに傷ついてしまっても、私はわからなかった。
初めて恋をして、一番愛した人を守れなかった。
だから私は、同じ失敗はしない。
だから私は、みんなを、今、好きな人を守れるように強くなろうと決めた。
母が言っていた。
「少し前に起きたことも、昔にあった事も、悔やむのはいい。けど、そうしていると先には進めない。時間は待ってはくれないから、過去の変えられない過ちに考える時間を割くより今自分が何をするべきか考えた方がいいよ」
よく物語などで書かれることもある、ありふれた言葉かもしれない。私はその母の言葉が大好きだったから。
ここまで努力を重ねてきた。私には強い意志がある訳でも無いし、周りが言うほど立派じゃない。
でも、それでも妃に相応しくなれるって、私を大切にしてくれる人に背中を押してもらった。あの人にそっくりな。

この龍炎の力は、母からの贈り物。
結晶のブローチは彼からの道標。
あの別れは、大事な物を守れる命の価値を初めて知った。

人間には炎妃龍なんて呼ばれているし、しっかりしないといけません!

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