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予備試験のオススメ基本書


0.はじめに

どうも、司法です。ご覧いただきありがとうございます!本noteが皆さんのお役に立てれば幸いです。
今回は、予備試験合格までに使用した基本書で、個人的にオススメのものを、短答・論文・口述に分けて書いていこうと思います。実際にその段階で使ったわけではないが、後からみて良いと感じたものについては(基本書名)という形で示しています。大量にあるので、紹介理由などについては簡潔に書きます。

1.私の勉強における基本書の位置付け

基本書をオススメする前提として、私にとっての基本書の位置付けをまずは示しておきます。私は、基本的にはアガルートの講座に沿って勉強をし、分からないところがある際には辞書的に基本書を使用するということをしていました。この使用方法を前提に、個人的にオススメの基本書を示していきます。

2.短答用


短答については上記記事で挙げたものを改めて紹介いたします。上記記事からもわかる通り、ここで紹介するのは、最低点合格→上位合格を果たす過程で使用することについてオススメ出来るものであり、全くの初学者にオススメ出来るというわけではございません。その点ご留意下さい。
・デイリー六法 ∵網掛けが読みやすい
・(判例プラクティス憲法)  ∵判例数が多い上、問題点や解説も簡潔でわかりやすい
・基本行政法 ∵基本概念や判例はもちろんのこと、短答でチョクチョク出てくるような個別法(行政不服審査法、個人情報保護法)などについても必要十分な記載がある
・(内田先生のシリーズ)  ∵詳しめなことも載っていて、短答知識について漏れがない。根抵当権のところは必見だと個人的には考えています。なお、やや中級者向けな感があります。
・田中亘先生の会社法 ∵条文と制度背景・概念をセットで覚えられる。ところどころに図表もあり、本当の本当に役に立った。
・瀬木比呂志先生の民事訴訟法 ∵実務でありがちな事も書いてくれており、短答知識についても具体的なイメージを持てる。なお、独自色が強いところがある点にはご注意ください。
・(基本刑法)  ∵論文には出ないけど短答には出る、といった部分についても、簡潔ながらも記載がある
・基本刑事訴訟法Ⅰ  ∵手続や概念について非常にわかりやすく説明がなされている。口述まで含めると個人的には、一番お世話になった基本書です。
・川出先生の判例講座 ∵論点の解説が本当にわかりやすい。あくまで「判例」講座であるが、学説の説明も平易な言葉で記述されており、短答・論文との相性がいい。

3.論文用

次に論文用です。私は、論文も短答と同じく1年間で60点以上点数が上がってます。以下お示しするのは、R4予備論文不合格発表後、R5予備論文本番までに使用した基本書です。短答同様、全くの初学者の方に向けたものではございませんので、その点ご留意ください。
また、ここで示すのは、「総合講義で工藤先生が〇〇って言ってたけど、あんまよくわかってないな」「論文過去問で聞かれたところの周辺知識や基本知識が分からないな」と思った時に辞書的に使用した基本書です。基本書を読んだあともう一度総合講義を聞き直したり過去問を検討したりすると、なるほど🧐となるところも相当多かったので、同じような悩みをもっておられる方は、特にご覧いただきたいです。
(1)憲法
・憲法判例の射程 ∵憲法判例の理解にとって必要不可欠かと。今年3月に第3版が出るので要チェックです。判例百選については後述。
(2)行政法
・基本行政法判例演習 ∵判例解説でありながら、論文を書く際のコツが随所に散りばめられていて、論文対策に使えた。R5予備論文の原告適格の書き方については、同書279頁をご覧下さい。
・実戦演習行政法 ∵著名な学者による予備論文の解説、というだけでもうオススメするのには十分かと。内容の素晴らしさは、ご覧いただければすぐ分かると思います。
・行政法解釈の技法 ∵実務家の先生と研究者の先生とが共同して著された、最強の予備論文行政法対策本です。わかりやすいです。私は実戦演習行政法と見比べながら使用するという贅沢な(?)使い方をしていました。
(3)民法
・実戦演習民法 ∵実戦演習行政法と同じです。特に、H29の民法94条2項類推適用についての解説は、必見だと考えています。
(4)商法
特にございません。論文対策はアガルートの講座のみでやっていました。
(5)民事訴訟法
・瀬木比呂志先生の民事訴訟法 ∵理論だけでなく実務上の実際の問題などを知れる。ちなみにR5予備論文の和解の問題について、同書に書かれている実務上の問題点をそのまま書きました。
・実戦演習民事訴訟法 ∵実戦演習行政法、民法と同じです。複雑な民事訴訟法の体系を、図や表を用いて説明してくださっています。複雑訴訟の分類や視点などが書かれた頁は、特にわかりやすかったです。複雑訴訟ではなくもはや単純訴訟なんじゃないか、と思わせるほどでした(単純訴訟、という言葉はございません。わかりやすさを伝えるための造語です。)。
(6)刑法
・基本刑法 ∵平易な言葉で説明してくれていて、分かりやすい。
・応用刑法 ∵答案に書く際のコツがたくさん書かれていて、論文対策に活かしやすい。各論は今年の3月に出るとのことなので余裕があればチェックしてみてはいかがでしょうか。
・悩みどころ ∵学説上争いがある点を中心に解説してくれており、理解を深めることができる。なお、悩んで終わりになることも多い点にはご注意下さい。
(7)刑事訴訟法
・川出先生の判例講座 ∵基礎・学説・判例を、深く掘り下げており、しかもそれを平易な言葉で説明なさっていて、本当にわかりやすい。個人的には、論文対策で一番買ってよかったと感じた基本書です。
(8)倒産法
・倒産法講義 ∵図解も多く、説明もわかりやすい。条文も相当数挙げられており、判例の解説も端的。さらに、薄い。倒産法選択者はぜひご一読ください。
(9)民事実務基礎
論文対策は、ほぼアガルートの講座のみです。
(10)刑事実務基礎
・定石本 ∵実務や手続きの流れがわかりやすく説明されている。なお、私はR5予備論文の刑事実務基礎では、同署121頁、注13に書いてあることをそのまま書きました。再現答案を拝見する限り、皆さんあまり書かれていないようでしたが、おそらく正解筋だったのではないか、と考えています。

4.口述用

次に口述用です。初出のもののみ理由を付します。
・基本民事執行法・保全法 ∵手薄になりがちな保全執行を詳しめに説明してくださっている。通読はオススメしませんが、辞書的に使う分には極めて有用であると考えています。本番、執行と保全が出れば誰にも負けないぞ、ぐらいの意気込みでしたが、出ませんでした。
・大島本上巻 ∵皆さんがやっている。出来なければ差をつけられてしまう。やりましょう。
・定石本
・基本刑事訴訟法Ⅰ
・川出先生の判例講座
・基本刑法Ⅱ

5.判例集について

私から特段オススメする判例集があるわけではないのですが、R5予備論文の出題趣旨が出たので、まずはR5予備論文憲法の復習をしてみようと、昨日初めて憲法の判例百選を見てみたところ、R5予備論文憲法で問われた問題意識が全て載っていてとてもビックリしました。予備論文憲法の傾向(R5予備論文憲法の振り返りについては、下記記事をご覧ください。)からしてこのようになるのは仕方ないのかも知れませんが。メリハリは当然必要ですが、判例百選に一通り目を通すことは必須なのかもしれません。

以上、オススメの基本書紹介でした!皆さんの参考になれば幸いです。それでは。

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