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永遠の一瞬  -春高バレー感想 1 -

準決勝と決勝はようやく東京体育館で現地観戦ができた2023年の春高バレーでした。私がコロナ前に現地観戦したのは2019年のこと。
今年、大学を卒業する洛南カルテットが失セット0で春高を優勝した年でした。その圧倒的な強さに驚いたり、1年前に彼らがダブルエースを擁した鎮西に決勝戦で負け、そこから成長してきた姿に驚かされました。

2020年は仕事で、2021年、2022年は無観客試合で現地に足を運ぶことはありませんでしたが、何もなく現地に通えた頃は学生スポーツを見るのがこんなに困難になることを想像したことがありませんでした。

だから2023年は年初に可能な限り学生バレーを見に行こうと心に決めていました。高校、大学のカテゴリで有観客で見られる時は現地に行くと決めてそこそこ通った一年でした。

春高が1回戦から現地観戦できなかったのは残念でしたが、配信も充実していましたし、準決勝と決勝が現地で見れて本当に良かったです。また来年、どんな状況になっているかはわかりませんが、来年もたくさんの試合が見れることを心から願っています。

私にとっても特定の高校チームを追いかけてシーズン最初から春高までの道のりを追いかけるというのはバレー観戦人生の中でも新しい経験でした。

ずっと、鎮西と東山という二つのチームを追いかけていました。
鎮西は2022年の春高の決勝戦を見て舛本選手が3年生をどう戦うかを見たくなったから、もう一つはやはり京都予選を圧勝してきたのに初戦で力を発揮できなかった東山というチームがどう強くなるのかを見たかったからでした。

インターハイで対照的な結果になった2チームを見て、国体でのそれぞれの戦い方を見て、春高予選を見て、その成長だったり、チームを仕上げて行く過程での葛藤を垣間見て。そして、春高でこのカードは決勝で見たかったと思ってしまいました。(だって応援してるチームには一つでも多く試合をしてほしいじゃないですか、ただそれだけ)でも、準決勝から有観客なのでどちらも勝ち上がったら、東京体育館で生観戦できるということを楽しみにしていました。

しかも3年生にとっては最初で最後の有観客での試合。コロナでたくさんの人に応援してもらえる中でバレーボールをするという体験を失ってしまった世代でした。だからたくさんの人が見守る中でのバレーボールを楽しんでほしいなと思ってました。

応援してるチーム同士の試合の観戦は複雑な気持ちでいっぱいです。

試合は皆さんもみていただいた通りフルセットの激闘でした。
途中いろんな気持ちが自分の中を行ったり来たります。

この日は鎮西、舛本くんの強さを目の当たりにした試合でした。
東山もものすごく応援していたのですけれど、この鎮西に勝てる気がしてきませんでした。それほど、そこまでの勝ち上がり方の勝負強さが突出している感じがして。その強さはフルセットで均衡した点数の時にサーブが回ってきた舛本が見せてくれたサービスエースを含むブレイクが見せてくれました。

「エース」ってとても抽象的な言葉なんですけれど、こういう人がエースというイメージはきっとそれぞれの中にあって、わかりやすいところだと龍神キャプテンの石川祐希くんなんかはそれを体現してる選手だなと。ここを取り切らなきゃいけないという1点を切り取ることができて、勝負どころで回ってくるサーブでそこまでの調子が上がっていなくてもサービスエースを取れるチームが頼りにする選手。

鎮西の舛本くんはこの大会の全体を通してそれをみせてくれた選手でした。


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