見出し画像

コンドマニア原宿1990年代

「これ、なんの自動販売機?」
そう言ったら、「いいから来なさい!」とぐいっと手を引かれた。
小学生の頃だ。
薬局の前にあることが多く、なんだろう?と思っていた。
なんだろう?の答えがわかったのは、それからずっと後のことだ。

コンドームが避妊だけではなく病気を防ぐのに有効なものであることを
クィーンのボーカル、フレディ マーキュリーが亡くなった時にあらためて考えさせられた。彼はAIDSで亡くなった。

その頃は、AIDSに感染したら治らない。
そう言われ始めて皆が何となく怖がるようになっていたものの、
若い勢いは止められない。
こればかりはしょうがない。

ある時、原宿を歩いていると「これどうぞ」と配っていたものがあった。
綺麗なパッケージだったが何だかわからなかった。
よく見るとコンドームだ、それまでのコンドームの湿ったイメージを覆すカラフルなパッケージに驚いた。
1990年代前半のこと。
うわっ!時代が変わったぞ、と思った瞬間でもあった。

その店は、原宿の神宮前交差点のところにあった。
それほど大きな店ではなかったが、
考え方がオープンになって行く時代の光を感じ、
好奇心にそそられて、一度、店に入ったことがある。

そして時間が流れ21世紀。
気づけばもっとオープンに語られるはずの性の話が学校のどこにも無い。

NHKラジオ第二の高校講座では、壇蜜さんが専門医を招いて性教育の事を話していた。壇蜜先生の雰囲気で流れていくあの番組は良かった。
あんな感じで話されたら、「コンドームは大事だ」と皆が心から理解するだろう。

とにかく、避妊と感染症防止のためにもコンドームの必要性を十代に伝えたい。人生は、たった一回の判断ミスで呆気なく崩壊する、って言ったって、頭に入らないだろうけど。私も十代やってきたので、よくわかる。

コンドームは、原宿や渋谷にあるコンドマニアのような店に並ぶこともあるが、ほとんどはドラッグストアの「あら、こんなところに」という棚に置かれている。
たまに行くドラッグストアでは、血圧計の下の棚にコンドームが陳列されている。それに気づかず血圧計を見ていたら、通り過ぎるおっちゃんにじろじろ見られるので、なんなん?と思ったら、その下の棚にコンドームが並んでいた。血圧計の下に並べるとは、奥の深い並べ方をするものだと感心した。

華やかな原宿の街角からおばさんの溜息聞えそうなドラッグストアの話へ滑り込んでしまったが、それもまたご愛敬ということで・・・





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?