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◇コラム【健康マニアのケンコウ情報32】入浴中の溺れと溺死を未然に防ぐ

 毎年、日本では、1万4000人以上の人が、
入浴中の急死、浴槽内での溺死が多いと
言われています。


 ◆ 溺れやすくなる主な原因

急な寒暖差=暖かい部屋から、寒い脱衣所や浴室に入ると血圧が上がり、それから浴槽のお湯につかると血圧が下がる。
特に高齢者は、急激な血圧の変動があると、脳内の血流量が減り、意識を失いやすい。

浴槽から急に立ち上がる=体にかかる水圧がなくなると、圧迫されていた血管は一気に拡張して血圧が下がり、脳に行く血液が減る。

食後や飲食後の入浴=血液が体の表面に集まり、血液循環が乱れて血圧低下や心拍数が増えて脳貧血や不整脈を起こしやすくなる。

酒酔い状態の入浴=血圧などの異常や、転倒などが起きやすい。

薬の副作用=入浴前に、眠気を伴う薬や血圧降下剤を飲んでいると、血圧が下がり過ぎやすい。

 ◇溺死を防ぐ注意事項

① 食後1時間以内や、飲酒後や、薬の服用後や、体調不良の場合は、入浴を控える

② 入浴前に同居者に一声掛ける

③ 冬は、入浴前に脱衣所や浴室を18度以上に暖めておく(暖房がない場合は、シャワーで給湯をしたり、浴槽の湯が沸いた後は、よくかき混ぜて蒸気を立てて蓋を外しておく)。

④ 湯温は、41度以下にして、浴槽につかる時間は10分以内にする。

⑤ 足元から徐々に腰から肩へとかけ湯をして、身体を入浴温度に慣らす。その後、頭から湯をかぶって頭の血管を拡げて脳出血予防をしておく。

⑥ 浴槽で具合が悪くなった時は、迷わず、片手で栓を抜く(溺死防止)。

⑦ 浴槽から出る時は、手すりや浴槽の縁を使ってゆっくり立ち上がる

⑧ 同居者は、入浴中の人に異変があれば、声をかける栓を抜く。胸苦しさや頭痛や、吐き気や、意識喪失の時は、すぐに救急車を呼ぶ

                         (本誌・高田秀子)
 (参考:厚生労働省と消費者庁サイト、東京新聞)

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