乳癌術後化学療法(ddAC療法)開始

前回、抗がん剤治療を受けるかどうかでかなり悩んでいた話をしたが、結局受けることにした。

理由は根治を目指すなら術後に全身に回ってる癌細胞を死滅させたり、活動を阻害させる治療は受けた方がいいと根治を目標にした最初の治療計画を再度告げられたことと、今この年齢だから術後化学療法に耐えられる、今しか根治は目指せない、と説明を受けて今がラストチャンスなのだと思ったこと。この2つだ。

今回から受けるddAC療法(ドーズ・デンス エンドキサン・アドリアシン)とは2つの異なる作用の抗がん剤を投与し、その投与間隔を短くして、がんの再増殖を抑えようという治療らしく、根治を目指すなら欠かせないがその分身体の負担も大きいという。
抗がん剤投与後、翌々日にジーラスタという皮下注射を打つ。これを2週間に1回、12月14日まで4回受ける。

副作用は前回のパクリタキセル投与時以上に脱毛すること、強い吐き気や嘔吐、発熱など。吐き気止めの薬は沢山出してくれるようだけど、それでも抑えられないことがあるという。しかし、決めたからにはやり抜く。根治を目指す。

11月2日、初回投与

抗がん剤の種類が変わるので薬剤師からの薬と副作用の説明を受ける。点滴直後の副作用と遅延性の副作用のふたつがあるらしい。これも個人差によるのでどちらかしかない人もいれば、どちらもある人もいるし、稀に副作用自体を自覚しない人もいるとのこと。出来ればこういうときに鈍感力を発揮したい。

今回は投与前にアプレピタントカプセルというものを飲む。吐き気止めらしい。同じ薬を処方するので「必ず」2日間、朝に飲むようにと言われる。
化学療法センターあるあるなのだが、とにかく待ち時間が長い。予約時間から30分待たされるのはまだ早い方で、大体1時間~2時間は待つ。今回は3時間近く待った。ようやく呼ばれる。

点滴を受けるベッドに横になると看護師から点滴ひとつひとつの成分と名前、患者IDの確認がある。ここまではいつもと同じ。
今回はパクリタキセルの時のように手足を冷やすことはない。
点滴の針が少し太いようでいつもより痛い。慣れるまでに時間がかかった。

最初は30分かけてパロノセトロン、デキサートという吐き気止めが投与される。その後、デカドロンという吐き気止め。とにかく吐き気止めがバンバン投与される。
それが終わると全開でエンドキサンが投与。
落ちる速度が早い!!痛みはない。
一瞬で投与が終わり、次に生理食塩水。この時に点滴内にアドリアシンが注射器で注入される。
これは看護師では投与出来ないらしく、医師が注入していた。鮮やかな真っ赤な薬だ。これはエンドキサンより早く投与が終わる。

アドリアシンが身体に入った途端、身体が熱くなり、全身麻酔の時のように頭と手足がピリピリした。身体も発赤している。
血圧は変化がないが発熱し、目眩があったので暫く休むことになった。熱が下がり、自力歩行出来ることが確認出来てから化学療法センターを出たが、今回は病院を出るまで看護助手の人が付き添ってくれた。

この日は家族が迎えに来るために自宅で待機していてくれたのだが、割と快調で吐き気も何もない。これなら一人で帰れる、と連絡を入れた。
とにかく朝人参ジュースを飲んだきりで何も食べていないので、空腹でたまらなかった。
遅めのランチを食べてから家に帰る。完食。

帰宅後

帰宅し、家族に治療費や内容の話などを伝え、着替えて水を飲もうとした途端、強烈な腹痛と吐き気が襲ってきた。どちらも同時に出すのは難しいのでビニール袋を掴んでトイレに入る。
暫く出て来れなかった。
さっきまでの快調が嘘のような気分の悪さ。
どちらも出すものが無くなっても5~6回はトイレに行った。
ベッドに寝ていても吐き気が止まらない。
同僚が入院前にくれたベースンに袋を被せ、そこにいつでも吐けるようにしていた。
眠って意識が無くなるまでこれがずっと続く。

翌日

下痢は治まった。吐き気は昨日ほどではないが続く。酷い二日酔いのような感覚。息子の妊娠初期がこんなだった気がする。あの時は19で2ヶ月耐えられたが、今回はどうだろうか。
何も食べられない。
何かを口にしたら吐くので歯磨きとコンクールFのうがいと水を飲むだけ。
「癌細胞が苦しんでいるのだ、私が苦しいのではない」と痛みを逃しながら気分転換をする。

2日後。ジーラスタ注射

前日、一瞬楽になった瞬間があったのでグレープフルーツを半分だけ食べたのだが、その直後に腰まで響くような腹痛と下痢、嘔吐が襲ってきて明け方近くまでトイレに籠っていた。
アプレピタントカプセルを飲むとかなり楽になったが、徒歩でバスに乗って病院に行けそうもないので家族の付き添いでタクシーに乗って病院に向かう。病院に到着したらふらついて倒れたのでそのまま支えられて車椅子で移動になった。
病院の多目的トイレで2回嘔吐。
もう胃の中も空っぽなので胃液と胃酸くらいしか出ない。
今朝飲んでよく効いたため「アプレピタント出して下さい」と泣きながら頼むが、抗がん剤投与後2日間しか処方出来ないとのことだった。

今日の目的はジーラスタという皮下注射。

効能は「がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制」と書いてある。白血球が減らない薬、という解釈でいいんだろうか…←?
この注射、1回100000円もする。
3割負担で30000円。高額医療の適応範囲だが高い。これも痛みはなく一瞬で終わる。

帰る頃には吐き気がかなりましになっていたのでバスに乗って帰宅出来た。
毎回母に付き添ってもらうことになる。
これがあと3回続く。


帰宅して手を洗い、歯磨きをしたところ、コンクールジェルコート(歯磨剤)の味を全く感じなくなっていた。
今回は前回のパクリタキセルとは違って副作用の実感が早く、想像以上にしんどい。
これで脱毛が始まったらかなりストレスだろう。

私の戦いはまだまだ続く…(フラグ)

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