綿矢りさ「蹴りたい背中」を読んで

名前だけは知ってたけど読んだことはなかった小説をたまたま旅先の図書館で見つけて読んで見ました。

一時間くらいであっさり読める文量で一気に読み切ってしまった。良かったです。高校生くらいの大人になりきれないけど子供ではない時期特有の冷めた目線と自意識を良く描いている。周りの人間を見下し迎合することを拒否しながらも、孤独な自分を受け入れるのが怖い主人公。他人の目を全く気にせずアイドルの追っかけに没頭するにな川。ストーリーに明確な落とし所がある訳でもなく、結局それほど大きな変化がないままに話は終わりますが、これほどまでにありありと思春期を生きる少年少女の息づかいを感じられる本はなかなかないと思います。