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そうか、草加の魅力は煎餅だけじゃないんだ!

取材で埼玉県草加市に行きました。朝9時集合だったので本日はさいたま市の自宅から直行です。普段は新宿到着が朝8時半頃という快適さゼロの満員電車で通勤しているので、それを回避できるだけでも嬉しくなります。

取材先の最寄り駅は東武スカイツリーラインの獨協大学前〈草加松原〉駅でした。副駅名がついている駅は非常に珍しいですが、大学の最寄りであることをアピールしつつ松原という地名も残したいという妥協の産物だと最初は思っていました。

ところが、駅を出たところにあった表示を見て、私は驚きました。草加松原は国の名勝に指定されているらしいのです。調べたところ駅のすぐ近くに江戸時代の街道の松並木が残されているようなので、取材を終えてから次のアポイントまでの間に行ってみることにしました。

鉄道が走る高架橋をくぐり、まっすぐ東へ進んでいくと、線路とほぼ平行に連なる松並木が見えてきました。かつての日光街道なので、江戸から北へ向かって伸びているのです。

2列に並ぶ松並木の間は遊歩道になっていて、美しく整備されています。おそらく地元の方々が丁寧に清掃しているのでしょう。


ずらりと並ぶ松並木。真夏の正午近くですが、木陰もそれなりにあります。

この並木道は約1.5kmも続いているようですが、全区間を歩くだけの時間はありません。駅に戻ることを想定し、南へ進んでいきました。

歩道橋もレトロなデザインです。

道の東側は綾瀬川が流れています。両側をガッチリとコンクリートで固められていて、お世辞にも清流とは言えないものの、松並木とともに涼しさを演出しているようです。相変わらずの猛暑ですが、ここへ来るまでの道と比べると、体感温度は幾分低いような気がしました。

対岸にはまつばら綾瀬川公園があります。

路傍にあった説明書きによると、今のような姿になるまでには紆余曲折があったようです。昭和初期には隣接する道路を拡幅しようという動きがあり、高度成長期には成木が70本くらいしかない時期もあったとのこと。それでも並木道が残ったのは、地元の方々の熱い思いがあったからでしょう。

草加といえば煎餅が有名ですが、魅力はそれだけではありません。江戸時代の面影を伝え通行人に涼を提供する松並木、そして並木道を残した人々の思いは、もっと広く知られ讃えられてもよいのではないでしょうか。

駅に戻る途中で見つけた涼しげな公園。ここまで来るのが過酷すぎるためか、誰も遊んでいませんでした。

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