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世田谷区内の自宅で太陽光発電を実践している桑折さんを取材しました

私たちは、世田谷区の自宅で太陽の光を使って電気を作り、実績データを分析している桑折(こおり)さんを取材しました。
桑折さんは、自宅に太陽光パネルと蓄電池を設置して、どれだけ効率的に電気を発電できるか実践しています。今回はその驚くべきお話と、私が取材を通して得た知識をお伝えします。

世田谷区在住の桑折さん


太陽光発電、実はとても効率的!
取材前、私は太陽光発電には多くの問題があると考えていました。
しかし、桑折さんの話を聞いて、太陽光発電の実際の効果とそのメリットを理解することができました。
 
-太陽光パネルを設置すると、結局は損をするのでは?
- 昼間しか電気を発電できないので、問題があるのでは?
- 太陽光パネルを家に設置しても、環境問題への貢献は限られるのでは?
 
このような疑問を持つ人も多いかと思いますが、桑折さんのお話を聞くと、これらの疑問が解消されることが分かりました。


まずはお家の電気代がお得に!

桑折さんの家では、太陽光発電と畜電池を使用することで、電気代が設置前に比べて実質半分以下になっていました。最初に装置などを買うお金が必要ですが、約十年で費用は回収でき非常にお得になることが分かります。

自宅の屋根にある太陽光発電のパネル
(屋根の建材に埋め込まれたタイプのため、ちょっとわかりづらい)


畜電池が大きな効果を生む!

太陽光発電は太陽の光を利用して電気を発電しますが、その欠点として昼間しか電気を発電できないことがあげられます。
しかし、畜電池を設置することで、昼に発電した電気を夜間にも利用できるようになります。桑折さんの家では、畜電池の効果により、太陽光発電で発電した電気を自宅で直接利用できる量が蓄電池設置前に比べて2倍以上に増えています。


庭に設置された蓄電池
(エアコンの室外機より少し大きくて背も高い)


桑折さんが調べた蓄電池設置前と後の自宅で直接使用した電気の消費量の比較

(注)蓄電池設置前は2021年度、蓄電池設置後は2023年度のそれぞれ9月から2月の6ヶ月分を平均した数字で環境サポーターがグラフを作成


太陽のエネルギーは無限の可能性

太陽のエネルギーは非常に豊富です。
桑折さんの家では、太陽光パネルの広さは家の土地の広さのわずか10%ですが、家庭の電力消費の約70%を賄っています。桑折さんの自宅の太陽光パネルは十年以上前に設置したので古いタイプですが、最新の太陽光パネルはさらに効率的に発電でき、自宅での消費量を上回る発電が可能だそうです。


「自給自足+インターネット」で新たなエネルギー時代を切り開く

再生可能エネルギーを自分たちの身近な地域で発電し、そのエネルギーをインターネットのように結びつける。
この新しいエネルギー供給の形が、再生可能エネルギーの未来を切り開く鍵になると桑折さんは話します。そのためにも住んでいる地域で再生可能エネルギーを発電し、エネルギーの自給自足ができないかを考えていくことが大事になるとのことです。


再生可能エネルギーがまちの魅力を高める

再生可能エネルギーを活用して、その地域の魅力を高める取り組みも増えています。
例えば、岐阜県の石徹白(いとしろ)という集落では、水力発電を活用してまちの魅力を向上させ、この集落に移住する人も増えています。これは地方の事例ですが、世田谷区のような都会でも同じことができるのではないかと桑折さんは話します。


若者の力で未来を変える

桑折さんから最後にメッセージをいただきました。
「今、世の中を動かしているのは20世紀に育った人たち。彼らはインターネット(スマホ)のない世の中で育ってきた。しかし、21世紀のスマホで育った人たちは違う。21世紀の人たちが、新しい考え方で社会を変えていく必要がある」
再生可能エネルギーで新しい未来を作るためには、インターネットの世界がそうであるように個々のつながりがとても重要になります。
つまり、インターネットの環境で育った私たち若者たちこそが、その未来を変えていくための鍵を握っているのです。


聞き手 はるき(環境サポーター)