マガジンのカバー画像

品品喫茶譚

70
暇さえあれば喫茶店に行く。テーブルの上に古本屋で買った本を広げて、珈琲を飲む。ぼーっと窓の外の風景を眺める。 初めて訪れた街では喫茶店を探し、住み慣れた街に新しい喫茶店を見つけて… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

品品喫茶譚 第93回『姫路 大陸 木山捷平展でシングするのこと』

朝早く姫路に着いたので、大陸でモーニングを決めることにした。 私は大抵、細長く奥まった店…

16

品品喫茶譚第92回『神戸 ファイン』

ファインに入り、私たちは今夜の凡夜READING CLUBトークパートの打ち合わせをする。と共に、と…

品品喫茶譚 第91回『神戸 ファインの一個手前』

チェックイン開始時間の十分前にロビーについた。 こういった場合、タイミングによっては少し…

10

品品喫茶譚第90回『京都 逃現郷 華麗なカレー』

ここ最近、茶の間にカレーを食べに行くことが多いため、少し辛いカレーに親しみ過ぎていた。 …

品品喫茶譚第89回『京都 茶の間 やはりカレーは辛い』

前回の文章より一週間後、また茶の間にカレーを食べに行った。 前は小雨降りしきる中をチャリ…

11

品品喫茶譚第88回『京都 茶の間 カレーは辛い』

今年、スケジュール帳を購わなかったことを結構な頻度で後悔している。 スマホを駆使してスケ…

10

品品喫茶譚第87回『京都 ゴゴ 野暮生活者が二人』

ゴゴに入ると、生憎テーブル席は埋まっていた。 少し遅れるという藤井を待つ間、カウンターで今日のトークライブで話すことを簡単にまとめてみる。トークはつかみだ。つかみがいつももたつくからダメなのだ。そして、話したいことは文章にするのではなく、箇条書きで。こういった当たり前のことをちゃんとやらないといけない。私は藤井青銅さんという放送作家のトーク本を事前に読んできたのである。今日のトークはきっと大丈夫だろう。 目の前でサイフォンがコポコポ鳴っている。後ろのテーブル席では女性三人組が

品品喫茶譚 第86回『またいつものカフェバー』

タイヤの空気が少し甘い気がするが、気にしないふりをして自転車をガレージから出した。日が伸…

品品喫茶譚 第85回『長崎 冨士男』

土曜日。ってやっぱり今日ですやん。 九州へ。 とても大切な用事があり、そのあと最後の最後、…

品品喫茶譚 第84回『京都 行ったことのない近くのカフェといつものカフェ』 

土曜日。って今日やんけ。昼に思い立って蕎麦屋へ行く。けいらんそばというあんかけに卵としょ…

品品喫茶譚 第83回『栃木 日光 フルール』

とにかく風の強い日だった。 風は冷気を運んでくる。この日、日光に集った私、Kさん、Aさん…

10

品品喫茶譚 第82回『いまさらホールデン・コールフィールドに影響されて喫茶店を訪れ…

喫茶店で珈琲を注文するときにさ、店員さんが「フレッシュやお砂糖はどうしますか?」って聞い…

14

品品喫茶譚 第81回『東京 新宿 ピース 「みそか」のこと』

ここ数年、年納めのライブを東京の高円寺でやらせてもらっている。 一年の締めくくり、来年へ…

14

品品喫茶譚 第80回『京都 翡翠 実家のものと同じ柄のソファー』

先日、両親が京都に来た。 私はこの街に住んで十年になるが、初めてのことだ。 北大路堀川の交差点近くに「翡翠」という喫茶店がある。喫茶譚でも何度か取り上げたことのある店で、私の京都でのベストフェイバリットカッフェのひとつである。 私がこの喫茶店を好きな理由のひとつに、実家にあるのと同じ柄のソファーが置いてあるということがある。私はそのことを歌にして歌ったり、何度も文章に書いたりした。 今回、両親はがっつり京都の寺社を観光しに来たのではなく、むしろ、昔、兄夫婦と訪れたことのある祇