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品品喫茶譚

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暇さえあれば喫茶店に行く。テーブルの上に古本屋で買った本を広げて、珈琲を飲む。ぼーっと窓の外の風景を眺める。 初めて訪れた街では喫茶店を探し、住み慣れた街に新しい喫茶店を見つけて… もっと読む
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2022年9月の記事一覧

品品喫茶譚第33回「東京 神楽坂フォンテーヌ」

幼少の頃より、神楽坂という地名を耳にすることは多かった。家族の会話の中に「カグラザカのお…

品品喫茶譚第32回「金沢 茶房犀せい」

「この店で一番安い酒をちょうだい」 オドオドと店の中を眺めまわしている私たちの、その少し…

品品喫茶譚第31回「OKAMOCHI」

OKAMOCHIは中学の同級生である。 彼はアイスホッケー部に所属していて、つまるところ…

品品喫茶譚第30回「尾道 山斗須~ふたたびのそごう 後篇」

尾道パブルイスでのライブでは藤井君をはじめ彼の妹のむつこさんや色々な方々が手伝って下さり…

品品喫茶譚第29回「尾道 山斗須~ふたたびのそごう 前篇」

半年ぶりに訪れた尾道はすっかり夏。 今年の一月に一週間ほど滞在したこの街にはもはや来ると…

品品喫茶譚 第28回『西院 ブルーマウンテン』

百万遍のカフェコレクションでバジリコスパゲティを食し、古書善行堂によると、私は勢いよく坂…

品品喫茶譚 第27回『今出川 キャンパス』

その喫茶店はいつも通る道の近くにあったにも関わらず、ずっとスルーしていた。というか存在自体が目に入っていなかった。一緒に行った彼女に聞くと、一時期閉店していたこともあるらしく、なるほどそれでは気づかなくてもおかしくはなかった。しかし、私のそのときの感覚からすると、そもそもそこに喫茶店があったという認識すらなく、もっと大げさに言えば、いきなりそこに喫茶店が現れた、と言っても過言ではなかった。過言ではなかったので、私は「こんなところに喫茶店あったんだあ」などと間抜けな声を出し、彼

品品喫茶譚 第26回『ルノアール高円寺北口駅前店~阿佐ヶ谷ニューシャドー③』

久しぶりの人との長く楽しい夜を経て、次の日の朝はショパンから始まった。ショパンというのは…

品品喫茶譚 第25回『ルノアール高円寺北口駅前店~阿佐ヶ谷ニューシャドー②』

文学フリマ東京の会場である東京流通センターに向かうため東京モノレールに乗る。 すでに周り…

品品喫茶譚 第24回『ルノアール高円寺北口駅前店~阿佐ヶ谷ニューシャドー①』

去年の初めから毎週土曜日の夜に更新していた文章をテーマ別に二冊のエッセイ集にまとめた。ま…