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最近読んで面白かった本

韓国、といえば皆さん何を思い浮かべますか?おしゃれなカフェ、キラキラなアイドル、韓流ドラマ………もちろんそれらも素晴らしいですが、韓国文学も素晴らしいんです!個人的に、英語を翻訳した本は、日本語よりも直接的な言い方が多いので「馴染まないなぁ」と思うこともしばしば。しかし、韓国語はどうやら日本語と相性がいいようで、違和感なく楽しめる気がします。今回は、そんな韓国文学の中から面白かった本を紹介します。

No.1「彼女の名前は」チョ・ナムジュ

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「82年生まれ、キム・ジヨン」は、以前紹介しましたが、その作者の次作短編集です。ただの、創作物語ではなく60人余りの女性たちのインタビューから生まれたノンフィクションであるという点が特徴です。セクハラや、ストライキ、地下二階に住む少女の悩み、デモ……いろんな立場に置かれた女性たちのリアルな物語に、心をぎゅっと掴まれます。中には、閉塞感ある物語もあるので、全体的に明るい一冊ではありませんが、立ち上がり続ける女性たちのパワーに、わたしも一人の女性として背中を押されました。一編一編は、短いのでスキマ時間に少しずつ読める点も◎です。

No.2「宣陵散策」チョン・ヨンジュン

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ある日、主人公の男の子はとあるバイトをします。内容は、自閉症の青年と1日過ごすこと。彼は、自傷行為を防止するためのヘッドギアを付けており、唾を吐くという癖があります。そんな青年と宣陵を散策する中でとあるトラブルに巻き込まれてしまい…………。とても短い物語で、大きな物語の展開があるわけではないのに、読みながら情景が溢れ出して主人公の目から宣陵と自閉症の青年を眺めている気分になる不思議な一冊です。そして、この本の面白い点が韓国語でも読めるという点です。最初に、日本語の翻訳、そして、その後に韓国語の原文が載っています。もちろん、韓国語は読めないのですが、韓国文学により近づけた気持ちになる仕掛けだなぁと思いました。

No.3「静かな事件」ペク・スリン

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主人公の少女は、家族とともに田舎からソウルのとある町へ引っ越した。そこは、再開発が噂されており、そこに家を買って住めば後に建つ高級マンションに住めるという魂胆だった。しかし、一向に再開発は始まらない。そんな町で、主人公が親友と友情を育み、恋をし、そして、別れを経験する青春小説です。思春期の煌めきと、不安定な心がリアルに切り取られており、瞬きを忘れて読み切りたくなる一冊です。こちらも、「宣陵散策」と同じく韓国語でも読めます。この韓国文学ショートショートシリーズは他にもあるので、数珠繋ぎに読みたくなるはずです。

ということで、今回は韓国文学の中から面白かった本を紹介しました。翻訳物はちょっと、、、と抵抗がある方も、違和感なく楽しめる物語です。ぜひ、お試しください!では、また!

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