酒井傳六氏謹製のエジプト人カタカナ転写メモ

このツイートをした後に気になったので、調査してみました。

以下に、「ニッポニカ辞典で見つかった酒井氏の表記←一般」の順番に記載。括弧内はニッポニカの該当記事名。太字は翻字を無視した or 切るところ間違え転写。

ホルエンヘブ←ホルエムヘブ(王家の谷、サッカラ)"Hr-m-Hb"

・トゥトメス←トトメス(トゥトメス1世) トト神の記事があるが、そちらは別の方の著作であり、ゆれが判断できなかったため、これは備考程度。

アメネムハト←アメンエムハト(アメネムハト3世)"imn-m-HAt"

・ヘマカ(王)←不明。第一王朝と記載されているが、第一王朝にもその付近の王朝にもそのような名を持つ王は存在しない...(サッカラ)

・ジョセル←ジェセル(サッカラ)Djoser. 表記ゆれだが、AmenがAmonではないならばこれもDjeserにするべきなのである。

・アトン←アテン(テル・エル・アマルナ)同上。

・アケナトン・イクナートン←アクエンアテン(テル・エル・アマルナ)
Ax.n-itnであるから、そもそもイから始まるのがおかしい。Akhenatenにするとアケナテンとかになるが、つながりはどこ行ったのか。安倍晋三氏をAbeshinzoにしてアブエスヒンゾAb es hin zoとか読んでいるようなものである。ただし、アケナテンに関しては屋形禎亮氏の使用例があるので何とも言えない。

・アーメス・アフメス←イアフメス(アフメス1世)iAh-ms.

・ムテムイア←私ならムトエムウィア(mut-m-wiA)にする。

アメンヘテプって書いているのに、(ジョセル)内ではイムホテプって書いているのが何とも...

まあ最近手を伸ばし始めたアッシリア分野でも元転写と全然違う名使ってたり(エサルハドン Aššur-aḫa-iddina, ネブカドネザル Nabû-kudurri-uṣur、ウィキからのコピペなので正しいかどうか自分でチェックはしていない)するため、案外しかたないものなのかもしれない。ただし、揺れるのは迷惑ではある。

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