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プロゲーマーと村上春樹と凡人の私。

今回ご紹介する本は、麻布高校、東大からのプロゲーマーという変わった経歴の持ち主のときどさんの書いた「世界一のプロゲーマーがやっている 努力2.0」という本です。ひとつの道を極めている人の本というのはやっぱり面白くて、ついつい手に取ってしまう癖があるのですが、この本もご多分に漏れず面白かったです。

プロゲーマーという業界にそこまで詳しくないですし、格闘ゲームといえば、15年くらい触っていない私ではありますが、唯一知っているプロゲーマーが梅原大吾さん。レッツゴージャスティーンの動画で有名な人ですね。

梅原大吾さんの著作もいくつか昔に読んだのですが、ときどさんにも共通して感じられるのは、変化を恐れず、チャレンジをし、失敗から学ぶという貪欲な姿勢。

本の中でも書いてありますが、eスポーツは桁外れに変化が激しい世界。メーカー側の調整によって環境はすぐに変化するし、情報の透明性も高く、昨日の勝ちパターンが明日には変わっていることもある。そういった環境の中でトップランナーとしてあり続けるためには、そういった変化をし続ける姿勢が重要なのだと思いますし、ビジネスの世界でも共通することだなあとひしひしと感じました。

そんな中で活躍するときどさんの努力の方法が色々と紹介されてますが、この本で自分が一番印象深くて、勇気づけられたのが、「凡人は武器になる」というもの。

勢い良く上がってきたプレーヤーは、何かしら光る「生まれつきの資質」を持っています。普通のプレイヤーであれば勝てなくていちいち足止めを食わされるところを、その資質に物をいわせて勝ってしまう。ところが、トントン拍子で上がってきた選手ほど、一度限界にぶつかると伸び悩むのは珍しいことではありません。

勝てないことで自分の問題と向き合い、工夫することで壁を越えていく。そのようにして次の段階へ進むために必要な実力を得ていくのが「凡人」の僕らのやり方です。(中略)

適正なタイミングで壁にぶつかることで、限界を乗り越える機会に恵まれる。できないことは、天才にはない凡人の武器だということです。

これは凡人の自分にはめちゃめちゃ勇気の出る言葉でして、村上春樹さんも同様のことを「走ることについて語るときに僕の語ること」で述べています。

前にも述べたように、僕は何もしないで放っておくとじわじわ太っていく体質である。(中略)そのことで僕はよく「人生は不公平だよな」と思ったものだった。ある人が努力しないことには得られないものを、ある人は努力しないでどんどん得ていく。

しかし考えてみれば、そういう太りやすい体質に生まれたことは、かえって幸運だったのかもしれない。つまり僕の場合、体重を増やさないためには、毎日ハードに運動をし、食事に留意し、節制しなくてはならない。しんどい人生だ。(中略)

ところが何をしなくても太らない体質の人は、運動や食事に留意する必要がない。また必要もないのにそんな面倒なことを進んでやろうという人は、それほど多くないはずだ。だから年齢を重ねるにつれて、体力が次第に衰えていく場合が多い。意識的に手入れをしていないと、自然に筋肉が落ちて、骨が弱くなっていくものなのだ。何が公平かというのは、長い目で見てみないとよくわからないものなのである。

勇気出るぜ!

壁にぶつかって自分の才能のなさを嘆くよりも、壁を乗り越える経験ができることをポジティブに捉えて、努力を惜しまず続けていくべき。そして努力の仕方も工夫し続けるべし、ということですね。

筋トレ続けて、頑張るマンですね。

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